『バイオハザードIV アフターライフ』--日本経済のゾンビ化を阻止せよ《宿輪純一のシネマ経済学》

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 それに対し、日本は米国とEUとの自由貿易協定は進まない。円高になっても為替介入もしない。国の借金は世界一。経済改革も進まない。経済成長への期待もなくなってきている。このまま変化を望ます何もしないと閉塞感とともにジリ貧にならざるをえない。まさに日本化=ゾンビ化となるかもしれない。
 
 この主人公アリスが見ている者の気持ちを引き付けるのは、その「折れない心」である。官僚組織の最たるアンブレラ社との戦いも、無限の数がいるゾンビとの戦いにも、決してあきらめないで、仲間を助けベストを尽くす。その“姿勢”がすばらしい。日本経済が閉塞し、社会がすさんできているだけにているだけに、ここが最も心を打つのではないか。

それにしても、痛みもあっただろうが、経済改革を推進し、高い経済成長を遂げている韓国経済、特に韓国政府を評価してもいいのではないか。


配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 9月10日(金)より丸の内ピカデリーほか全世界同時公開

しゅくわ・じゅんいち
映画評論家・エコノミスト・早稲田大学非常勤講師。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングスなどに勤務。非常勤講師として、東京大学大学院、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学等で教鞭を執る。ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。財務省・経産省・外務省等研究会委員。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『アジア金融システムの経済学』(日本経済新聞社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA

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