中国を閉め出すことは 先進国経済を減退させる--エドワード・スタインフェルド マサチューセッツ工科大学准教授

中国を閉め出すことは 先進国経済を減退させる--エドワード・スタインフェルド マサチューセッツ工科大学准教授

急速な経済発展を遂げた中国に対して、国際社会から政治的軋轢への指摘も聞かれる。近著で「中国の台頭は西側(欧米)の脅威にはならない」と主張する、中国問題の専門家に話を聞いた。

──懸念されている「中国脅威論」とは、どういったものですか。

いくつかの脅威や問題が誤解によって生じている。中でも、中国の発展が世界の資源やエネルギーを奪い、環境破壊にもつながっているため、中国をグローバルな発展の舞台から除外しようとする力が大きい。これは中国が自分たちの中だけで成長できる「自立した経済」だと思っているからだが、間違いだ。日本や米国と直接対決できる経済レベルに、中国はまだ達していない。

中国は、グローバルな枠組みに非常に強く自分たちを結び付けることによって、発展している。中国と諸外国とは真っ向から勝負している対立構図にあるのではなく、大きなネットワークの中で、作業分担や役割分担をしながら協力し合っている関係。具体的には、中国の企業が製造と設計に特化し、日本や欧米企業がイノベーション的な作業に携わるといった間柄だ。

このようなモデルを基に、中国が発展していくことが、私たち先進国にさらなるグローバルな発展のチャンスを提供する。それによって、資源・エネルギー、環境といった問題の解決策を見つけることもできるだろう。たとえば、風力発電など再生可能エネルギーの機器も、中国と先進国が分業・専業化すれば、イノベーションや製造のサイクルが短縮化され、これまで夢でしかなかったようなソリューションを提供できるようになる。

中国を製造分野から閉め出してしまえば、私たち先進国の経済発展を支えているイノベーションも、減退してしまうだろう。

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