中国を閉め出すことは 先進国経済を減退させる--エドワード・スタインフェルド マサチューセッツ工科大学准教授


 再統一したい中国もまだ抽象的な概念を持っているにすぎない。が、台湾が独立宣言をすることには大きなおそれを感じている。もし、台湾が独立を宣言してしまうと、中国では一般の国民からナショナリズムの声が台頭してくる。その声が大きくなれば、今度は政府が何らかの対応を迫られる。たぶん中国政府はそういった事態を避けたいのだと思う。

つまり現時点で、中国と台湾の政府は同じスタンスにあるのかもしれない。両者の政治的な主権についてはとりあえず、今は話し合わないことにしようとの思いだ。しかし、台湾の野党は中国におもねっていると激しく批判している。台湾は民主主義国家なので、中国との政治的主権の問題を主張すれば、政権基盤を大きく揺るがすことになってしまう。

──中国は国際社会においても自国のルールをかたくなに守っています。特に、グーグルが中国から撤退した一件についてどう見ますか。

先進国も個々の国を見ると、独自のルールを持っているわけで、中国に限った話ではない。グーグルは中国の事前検閲制度に抵触することになったわけだが、非常に興味深いのは、北京にグーグルの研究開発センターを設置し、清華大学のような優秀な大学の卒業生を働かせている点だ。表面的には大きな問題となったが、中国政府は自国の才能を外資系企業に使うことを許可しているのだ。中国のためではなく、あくまでも外資のために行っている。

(聞き手:鈴木雅幸・週刊東洋経済編集長 =週刊東洋経済2010年9月4日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

Edward S. Steinfeld
1996年ハーバード大学政治学部博士号、同年マサチューセッツ工科大学(MIT)スタローン経営大学院准教授。2004年から現職。MITの中国プログラムなどのディレクターも務める。近著は『Why China’s Rise Doesn’t Threaten the West』。

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