育児だけでなく不妊治療もサポート、オムロンが取り組む子育て支援策
オムロンは1933年創業の機械メーカーで、FA用の制御機器や各種スイッチ、リレーなどの電子部品が主力事業。自動改札機や自動券売機は同社が世界で初めて開発したもので、その技術力は世界で高く評価されている。
高度な技術開発には優秀な人材が必要だ。そこで、同社では創業以来、性別に関係なく、従業員が意欲を持って仕事に従事できる環境づくりに積極的に取り組んできた。
これまでのいきさつについて、人財センタ勤労部制度企画担当課長の木村智之主幹はこう話す。
「当社では創業当時から、従業員が仕事と家庭の両立ができるように、制度や職場環境の整備を行い、法律の制度にのっとった各種の支援策を採ってきました。それでも、かつては、女性従業員は結婚を機に退職するのが一般的でした。しかし、女性が活躍する機会も多い中で、仕事と家庭の二者択一ではなく、その両立を図ることのできる支援策を講じることが重要だと考えました」
子ども1人に月額1万2000円
86年の男女雇用機会均等法の施行以降、女性の社会進出が進み、社会や女性の意識は大きく変化してきた。しかし、多くの女性が仕事と家庭との両立に悩んでいる。そこで、同社では2006年に勤務制度を改定し、仕事と家庭の両立を強く支援することにした。
ライフステージごとの支援策を見てみよう。
妊娠に際しては、「不妊治療休職制度」がある。1カ月以上1日単位で、通算365日以内の利用が認められている。給料は支給されないが、職場に在籍することは可能だ。さらに、「特別年次有給休暇」や「積立年次有給休暇」と合わせればかなりの日数を不妊治療にあてることができる。