小林雅さん、IVSは何を目指しているのですか 日本最大級ベンチャーカンファレンスの秘密

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小林:雑誌なども見ますし、あとはフェイスブックをよく見ています。たとえば「塩野さんが誰かとメシを食った」という投稿があれば、相手はどういう人だろうと常に気にしていますね。

塩野:なるほど。知り合いの知り合いであれば、「この人紹介してください」と言える。

小林:気になった人には、「ローンチパッドに応募しませんか」とメッセージを送ります。だから直接会わなくてもいい。

ボランティアスタッフも多数

塩野:IVSには学生ボランティアもいますよね。

小林:ボランティアスタッフは現在70人くらいいます。学生20人、社会人50人くらいです。社会人の中には起業家もけっこういて、ローンチパッドで予選落ちした人がスタッフになったりすることもありますよ。

塩野:ボランティアはどういうモチベーションで参加しているんですか。

小林:まずメリットとしては、IVSに無料で参加できること。宿泊費などは自腹ですけど。IVSのスタッフになれば、最先端で活躍している人、たとえばLINEの森川亮社長を身近に見ることができる。当日はスタッフとして受付をしていても、シフト制なので自分の番でなければ会場で聞いていてもいい。書き起こしされた文章ではなく、生の声を聞けるのは魅力的ですよ。

 小林:あとはスタッフ同士の交流があること。年2回、京都とか札幌に行って非日常的な体験をすることで、一生の仲間、友達ができます。みんなバックグラウンドは違っても、めちゃめちゃ意識が高い。そういう人たちと知り合うだけでも参加する価値がありますよ。

塩野:それは絶対にモチベーションが上がりますね。

小林:共同作業をすれば必ず仲良くなるし、夜は飲み会があるし。一緒に起業したい仲間を見つけるのにすごくいい。

塩野:楽しそうに盛り上がっているコミュニティには、外からも人がどんどん寄ってきますからね。

小林:楽しいと自分から自然と情報発信するようになるんですよね。「これおいしい」と思ったら写真を撮ってフェイスブックにアップするように。同じように、ボランティアも「楽しい」「刺激になる」と思ったら、絶対誰かに「よかったよ」と話すので、芋づる式にその友達も来ます。

塩野:芋づる式に(笑)。そうですか。次回は小林さんの、ベンチャーキャピタリストとしてのキャリアについて聞きたいと思います。

 (構成:長山清子、撮影:今井康一)

後編は9月29日(月)に公開します
塩野 誠 経営共創基盤(IGPI)共同経営者/マネージングディレクター JBIC IG Partners 代表取締役 CIO

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しおの まこと / Makoto Shiono

国内外の企業への戦略コンサルティング、M&Aアドバイザリー業務に従事。各国でのデジタルテクノロジーと政府の動向について調査し、欧州、ロシアで企業投資を行う。著書に『デジタルテクノロジーと国際政治の力学』(NewsPicksパブリッシング)、『世界で活躍する人は、どんな戦略思考をしているのか?』(KADOKAWA)等、多数。

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