世界最大規模の上場、アリババ隆盛は続くか 海外展開を積極化、新たな“生態系”の構築も
この巨大組織を率いるのは創業者で執行主席のジャック・マー氏(50)だ。創業翌年に入社したジョナサン・ルー氏(44)がCEOだが、すべての実権はマー氏が掌握し、グループの精神的支柱として君臨する。
彼にまつわる有名なエピソードが“伝説の6分間”だ。00年にマー氏と初めて顔を合わせたソフトバンクの孫正義社長は、わずか6分間のやり取りで2000万㌦の出資を決めたという。追加出資分と合わせ、ソフトバンクはアリババ株式の36.3%(14年3月末時点)を保有する、筆頭株主。9月19日の上場で約8兆円の含み益が発生しただけに、米国市場の開拓をにらむソフトバンクにとってアリババ上場は福音だ。
出資や提携を連発
大型上場ばかりが注目されがちだが、それを待たずして、アリババは積極的に周辺事業への出資や提携に乗り出している。本拠の中国だけでなく、米国企業と手を組むケースが多いのも特徴だ。ネット上の買い物と関連した決済、資産運用で顧客を囲い込むアリババだが、手薄な分野も多い。米アマゾンが得意とする物流はその一つで、昨年末から通販大手の米ショップランナーや中国ハイアール電器との合弁に出資し、同分野の強化を図っている。
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