世界最大規模の上場、アリババ隆盛は続くか 海外展開を積極化、新たな“生態系”の構築も

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
9月19日にニューヨーク証券取引所に上場したアリババグループ。写真中央が創業者のジャック・マー氏(写真:Bloomberg)

中国ネット業界の巨人がついに世界に向けて動き出した。通販サイト「淘宝網(タオバオ)」や「天猫(Tモール)」を手掛けるアリババグループ・ホールディングが9月19日のニューヨーク証券取引所の上場で手にした資金は約250億ドル。世界最大規模の上場だ。

創業は1999年。BtoB(企業間取引)の通販サイト「アリババ・ドットコム」からスタートし、2003年にC to C(個人間取引)のタオバオ、08年にB to CのTモールに進出した。事業は急速な成長を続けており、14年3月期の売上高は8925億円(前期比1.5倍)、営業利益は4236億円(同2.3倍)だ。

収益の基盤となる月間利用者数は今年6月末時点で2.79億人に上る。サイト上での取引量を示す流通総額は8.5兆円(14年4~6月)と、日本の大手である楽天の同期比で約18倍もある。

ビジネスモデルは単純で、サイト上の取引手数料や広告収入が主な収益源だ。04年に決済の「支付宝(アリペイ)」、13年には資産運用の「余額宝(ユエバオ)」にも事業領域を広げている。だが、アリババの高収益を支えるこれら金融事業の運営会社は、今回上場するアリババグループには含まれていない。つまり潜在的な企業価値は、さらに大きいといえる。

次ページ孫正義社長との”伝説の6分”
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事