大江アナのお相手、松本大氏のホンネ対談 マネックス証券代表取締役社長CEOの好き嫌い(上)

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その影響ですかね。逆に大きなものにチャレンジするのは好きで、たとえば本田宗一郎さんが大好きです。車もバイクも「トルク×回転」で馬力が出ますが、ホンダ製は「小さなトルクを目いっぱいに回してなんぼ」みたいな高回転エンジンで、そういうのが好きです。大トルクでトロトロ走るのは嫌いということですね。

メジャーF1でアイルトン・セナが1991年に年間チャンピオンになったときの表彰式で、本田さんと2人、タキシード姿で抱き合って泣いている写真があります。F1といえばヨーロッパのスポーツで、ホンダというコンストラクターはまったく異端だったわけです。セナにしてもブラジル人レーサーということで、当時はまったくの異端。ヨーロッパ中心の体制のF1に、日本製エンジンとブラジル人レーサーが果敢に挑んで勝った。アンシャン・レジームを打ち負かしたというので、僕もすごく感動しました。

楠木:巨人嫌いと共通しているお話ですね。

松本:メジャーリーグに挑戦した日本人選手で言えば、野茂英雄選手が好きです。野茂選手はやっぱりパイオニアなのです。日本ではボロクソに言われたのに、アメリカに行って大活躍しましたし。野茂選手が切り開いたから、イチロー選手も松井秀喜選手も今、メジャーリーグにいるのだと僕は思います。どんな活躍や功績があってもイチロー選手よりも松井選手よりも、野茂選手が好きです。

要するに、小さなトルクで、無理して頑張って回転を上げて何かやるというのが好きで、もともと大きなトルクで、力があるのを余裕でコントロールっていうのが嫌い。だから、大手金融機関は嫌いです(笑)。

メジャーへの挑戦としての投資銀行

楠木:今のお話に関連して興味があるのですが、アンチ巨人タイプの人は、単純にマイナー志向というか、世の中のメインストリームから意図的に外れていこうとする面もあると思います。ところが、松本さんは開成高校という高校界のジャイアンツみたいな学校の出身。そのうえ、東京大学法学部というと、大学界のメガバンクみたいですね。

松本:最大の侮辱ですね(笑)。

楠木:でも、世の中のイメージはそうでしょう。開成や東大への進学は割と自然な成り行きだったのですか。

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