ある日、困り果てた養母は、次のように言いました。
「あのね、あなたの実母はあなたを捨てた人よ。お乳が張って痛いけれど、一度飲ませると癖になるからといって、一度もあなたにお乳を飲ませずに、私の所へ連れて来た人よ。
戦後、ガスがあった?電気コンロがあった?寒い冬の夜中でもあなたが泣けば、私はお米のとぎ汁を、夜中にたき木で火を起こすことから始めて温めてあなたに飲ませたのよ。あなたの実母が捨てているというそのお乳を、私はどれほど貰いに行きたかったことか。
冬の夜に、たき木で火を起こすのが辛かったからではないわ。あなたのためにそのお乳が欲しかったの。とぎ汁を飲んで泣き止んだあなたがとても不憫だったわ。たき木でお米のとぎ汁を温めてあなたに飲ませた私が罪で、お乳の一滴もあなたに飲ませずにあなたを捨てた人が『親』なら、会ってきなさい」
当時の他府県に住む実母の住所を渡したそうです。その言葉で「とぎ汁のお乳」で育った健二さんは立ち直りました。
古い時代のお話ですが今も昔も、やむなく母乳で育てられなかった人も実母子でなかった人も大丈夫、母性愛は母乳より強い、心配しないでというお話です。誠にもってお乳の話は奥が深いです。
もっと自信を持って!
錦田様、「一人目の育児でここまで潰れる母親」だと、貴女ご自身思っておられるようですが、思い違いをしておられるだけですよ。哺乳瓶のミルクを飲ませるのにも苦労する赤ちゃんだっています。赤ちゃんを泣かせながら、搾乳しているときの辛かったお気持ちはお察し申し上げます。でも今に至るまで、立派に育てられたではありませんか、すごいことですよ。
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