悩み・いじめ「子どものSOS」見逃さない質問のコツ 異変に気づいた時、注意が必要な「ある言葉」

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コミュニケーション能力は、家庭での対話の積み重ねで培われます(写真:C-geo/PIXTA)
1979年、スウェーデンは世界で初めて「子どもへの体罰を禁止する法律」を作りました。
実は、その少し前の1960年代には、未就学児の10人中9人が親から叩かれ、およそ3人に1人の子は、日常的に叩かれていたことが調査で明らかになっています。それが2010年代には、叩かれる子どもは10人に1人にまで減りました。
岸田雪子氏の新著『スウェーデンに学ぶ「幸せな子育て」子どもの考える力を伸ばす聴き方・伝え方』では、世界に先駆けて子どもを「ひとりの人」として認め、親に「子どもとどう接したらいいか」を積極的に伝えたスウェーデンの取り組みや、親と子のコミュニケーションに役立つ声かけの具体例が多数紹介されています。
本稿では、同書より一部を抜粋しお届けします。

コミュニケーション能力を高める「問いかけ」のコツ

コミュニケーション能力、つまり他の人とうまくやっていく力は、家庭の中の身近な大人との対話の積み重ねで培われます。

中でも、「感情を表す言葉」に触れる経験が重要です。

「うれしい」「くやしい」「がっかりした」「うらやましい」など、日本語にはたくさんの「感情を表す言葉」がありますね。

こうした言葉を、親が使ったり、その「感情に至った理由」を説明したりする機会が多いほど、子どもは自分の感情を理解し自分でも表現できるようになります。

他の人の感情への理解は3歳から4歳ごろには身につくと考えられています。幼いころから、家庭内の会話の中で、「どんな気持ちかな?」「どうしてそう感じるのかな?」をキーワードに子どもの話を聴くとよいでしょう。

子どもに絵本や物語を読み聞かせる時にも、「主人公はどういう気持ちなんだと思う?」と問いかけてみることや「どうしてそう思うのかな?」と感情の背景を思いめぐらせるのもよい経験になります。

とはいっても読み聞かせは「お勉強」ではありませんから、スキンシップや絵本の世界を味わう楽しみも、大切にしていただければと思います。

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