今年のクリスマスが全然盛り上がらない納得の訳 若者だけじゃない、メディアも引いたスタンス

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しかし最近では、「寒いところへ行くより暖かい家で自分の好きなものを見る」「食事はテイクアウトかデリバリーで家」「プレゼントはネットショッピングで買って届けてもらう」というインドア志向の人が増えています。

「家で楽しむ」という人が増えれば、必然的に人が集まる状態が減り、盛り上がりは感じにくくなるでしょう。たとえば、「イルミネーションスポットに人が集まる」「満員のレストランでクリスマスディナーを味わう」「クリスマスプレゼントを買うための行列ができる」という状態が減れば、それだけ賑わいを感じる人も減ったことになります。

また、家で楽しむ以上、食事やプレゼントなども家庭的なレベルのものにとどまりやすいのもポイントの1つ。「せいぜい近所で買ってきたケーキとチキンを食べるくらい」という現実的な人が多くを占めるようになれば、おのずとプレゼントも豪華なものにはなりにくいものです。もちろんコロナ禍による収入減や外出自粛などの影響もあるはずですが、それは2次的な理由にすぎないでしょう。

近年、クリスマスのことを「幼い子どもたちのためのイベントになった」という声をしばしば聞くようになりましたが、それは必ずしも正しいとは言えない気がします。大人たちも、自らの意思でインドアでの簡素化したクリスマスを楽しむように変わったのではないでしょうか。

ハロウィンより自由に楽しめない

先日、20代前半のカップル3組と、大学生グループ、社会人グループに、クリスマスに関する話を聞かせてもらいました。

なかでも印象的だったのは、「寒いのにわざわざ外へ行って、高いお金を払ってご飯食べて、並んでイルミネーション見て、無理してプレゼント買って……。僕らにとってはかなりコスパが悪いイベント」という大学生カップルの声。

「自分の好きなものを選んで時間とお金をかける」という金銭感覚のシビアな若者世代にとってクリスマスは魅力的ではないのかもしれません。だから、恋人へのプレゼントも無理して高価なものを買うことはなく、その日だけ高いクリスマスディナーは食べないのでしょう。

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