イライラ・怒りが減る「1日3行日記」のすごい効果 カーッとなったときは、まずは大きく深呼吸を
そう気づいた私は、怒ることをやめました。そして、どんなときもゆっくり話すことを心がけるようにしたのです。
ゆっくり話すと、自然と呼吸がゆっくりになります。ゆっくりとした深い呼吸は副交感神経の働きを高めてくれるので、自律神経のバランスが整うのです。すると、細胞のすみずみにまでいい血液が流れるようになり、頭と体がいきいきとよみがえり、パフォーマンスが上がります。
反対に、早口な言い方では、呼吸をきちんとすることができません。浅く速い呼吸は、交感神経の働きを高め、それが長く続くと血管が収縮、血流が悪くなり、パフォーマンスが下がってしまいます。そのうえ、話を聞いている相手の副交感神経まで下げてしまうのです。
あなたが早口でまくしたてると、関わる人たちのパフォーマンスを下げることになります。それは結果的にチームの一員であるあなたにとっても、デメリットでしかありません。今日からでも相手の意見に耳を傾け、自分が話すべき内容を整理し、ゆっくり話し始めるよう心がけましょう。
いい自律神経の状態は周りにも伝播しますから、ゆっくり話すあなたの言葉を聞いている相手の心も、どんどん落ち着いてきます。
ゆっくり話すあなたの言葉は、説得力をもって、相手に浸透していくのです。すると、立場を超えた温かみのあるつながりを結べるようになるはずです。
怒りのスイッチが入りそうなら深呼吸を
そもそも怒りの感情は、交感神経を刺激し、自律神経を大きく乱します。
交感神経の働きが強くなると、体内にカテコールアミンやコルチゾールといった、ストレスホルモンが分泌されます。すると、全身の血管が収縮し、血圧が上昇。酸素を運ぶ赤血球が破壊されやすくなり、脳をはじめとした全身の細胞が酸素不足になります。
その結果、冷静な判断ができなくなり、感情の抑制もききにくくなるのです。
ただでさえ、加齢とともに交感神経の働きは優位になり、私たちは怒りやすくなったり、愚痴っぽくなったり、皮肉っぽくなったりしていきます。
ですから、「ああ、自分は今、怒り出しそうだな」「冷静なつもりだけど、怒りのスイッチが入ってしまいそうだな」と感じたら、とにかく一旦、口を閉じましょう。そして大きく深呼吸をするのです。大きく吸って吐きながら、イライラやモヤモヤ、ムカつき、腹立ちを一度、手放し、肩の力を抜きます。
怒りやいらだちの感情を整理していくためにお勧めしたいのが、「3行日記」を書くことです。これは1日の終わりに簡単な日記を付けるというもので、私がアイルランドの病院で一緒に働いていた医師から学んだメンタルコントロールのテクニックです。
やり方は簡単で、1日の最後に次の3つの点について、1行ずつ日記を付けます。
(1)今日、一番イヤだったこと
(2)今日、一番うれしかったこと
(3)明日の目標
たとえば、こんな感じです。
(1)今日、一番イヤだったこと/朝、寝坊してしまったため、1日のスケジュールが崩れてしまい、自己嫌悪
(2)今日、一番うれしかったこと/予定が合わなくなってしまった取引先の人が、「いつもていねいに対応してくれるから」と、リスケに応じてくれた
(3)明日の目標/自分も取引先の人のように、おおらかなマインドで周囲の人に接したい
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