あの「ちくわぶ」に彼女がどっぷりハマった理由

「おでんでしか食べない」衝撃受けた友人の言葉

2011年から「ちくわぶ料理研究家」として活動する丸山晶代さん。着ている着物をよく見ると、”ちくわぶ柄”になっている(筆者撮影)

2021年12月12日、JR赤羽駅から徒歩5分ほどの場所にたたずむコミュニティーカフェ「ソーシャルコミュニティめぐりや」の店先に、人だかりができていた。近づいてみると、水色の着物を着た1人の女性が、ホットプレートで料理をしながら何かを売っている。

「『赤羽ドッグ』はいかがですかー!」

赤羽ドッグは、カレー味の「ちくわぶ」のなかに魚肉ソーセージを詰めて焼き、チーズと海苔を巻きつけたものらしい。1本300円で販売していたので買ってみると、ちくわぶのもっちりとした食感と魚肉ソーセージのジューシーな味わいがおいしくて、あっという間に食べ終えた。

赤羽ドッグを考案したのは、店先で呼び込みをしていた着物の女性・丸山晶代さんだ。「『月島もんじゃ』のように『赤羽ドッグ』を浸透させたい」と目標を掲げる彼女。実は日本唯一の「ちくわぶ料理研究家」として、知る人ぞ知る有名人である。2019年5月には人気テレビ番組『マツコの知らない世界』への出演を果たし、マツコ・デラックスに“ちくわぶ愛”を熱弁する姿が話題になった。

そもそも「ちくわぶ」とは?

「ちくわぶ料理研究家」の丸山晶代さんとは、いったいどういう存在なのか? という疑問の前に、そもそも「ちくわぶ」とは何なのか? と思う人がいるかもしれない。そこで、「ちくわぶ」について簡単に説明したい。

ちくわぶは、小麦粉と水でできた筒状の食材だ。名前が似ているため「ちくわ」と混同されやすいが、ちくわは魚のすり身で作られた別物である。

“おでん種”として使われることが多いちくわぶ(写真:カッペリーニ/PIXTA)

一説によると、ちくわぶが本格的に流通し始めたのは、大正時代の中期以降。当時、精進料理として人気だった生麩(なまふ)の“廉価版”として作られ、普及したとされている。

現在は、“おでん種”として使われることがほとんどだ。丸山さん曰く、「東京の下町ではおでんになくてはならない食材で、『ちくわぶが入っていないおでんは、おでんじゃない』という人がいる」という。

老舗食品メーカー・紀文食品の「紀文・鍋白書2021」によると、調査した7都道府県のうち、好きなおでん種ランキングトップ10にちくわぶが入っているのは東京都だけだった。

次ページ丸山さんが“ちくわぶ愛”を育んだ幼少時代
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