あの「ちくわぶ」に彼女がどっぷりハマった理由 「おでんでしか食べない」衝撃受けた友人の言葉

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「焼きちくわぶ」(写真左)と「ちくわぶのパスタ」(写真右)は家で簡単に作れるちくわぶレシピ(写真左:渡邉博海、写真右:丸山晶代さん)

ここで、丸山さんおすすめの「簡単ちくわぶレシピ」を2つ紹介しよう。

1つ目は、「焼きちくわぶ」。作り方は簡単。トースターで焼き目が付くまで焼くだけだ。「外はカリっと、中はもちっとした食感になって、ベーグルのような味わいを楽しめます」と丸山さん。お好みでバターやジャム、砂糖じょうゆをつけて食べるのがおすすめとのこと。

2つ目は、「ちくわぶのパスタ」。こちらは、パスタの代わりにちくわぶを使うだけ。切ったちくわぶを水と一緒に耐熱容器に入れ、電子レンジで5分温めたあとに、好みのパスタソースを合わせれば出来上がり。丸山さんは「ちくわぶは伸びないので、お弁当用のパスタにするのもいいですよ」と教えてくれた。

「赤羽ドッグ」を赤羽に浸透させる

1本300円の「赤羽ドッグ」。もっちり食感とジューシーな味わいを同時に楽しめる(筆者撮影)

閑話休題。丸山さんは現在、東京都内でも「赤羽」での活動に力を入れている。赤羽には、老舗ちくわぶメーカー「川口屋」や、有名な立ち飲みおでん屋「丸健水産」があり、ちくわぶになじみ深い街なのだ。それはつまり、ちくわぶを根付かせやすいともいえる。

冒頭で紹介した「赤羽ドッグ」は、丸山さんが2020年12月に“赤羽の新名物”として考案した新しいちくわぶレシピだ。毎月第2日曜日に赤羽のコミュニティーカフェ「ソーシャルコミュニティめぐりや」で開催しているイベント「赤羽わぶまつり」で販売している。

「とにかく赤羽にちくわぶを根付かせたくて。『赤羽わぶまつり』を恒例イベントにして、『赤羽ドッグ』を周知したいと思っています」。

2021年6月には人気テレビ番組『ぶらり途中下車の旅』で紹介されるなど、「赤羽ドッグ」は徐々に注目され始めている。が、「まだまだ赤羽の人たちには浸透していない」と丸山さん。彼女が目指すのは、「月島もんじゃ」のような街をあげて盛り上がる“下町グルメ”なのだ。

「『赤羽ドッグ』は『月島もんじゃ』のような存在になりたいですね。『赤羽ドッグ』だけじゃなくて、赤羽に来ればいろんなちくわぶレシピを食べられるようにしたい。そのためにも、ちくわぶのことをもっと赤羽の人に周知して、協力してもらえるお店が増えたらいいなと思っています」

“せんべろの聖地”である赤羽が、“ちくわぶの聖地”としても名を馳せる日は来るのか──。「ちくわぶ料理研究家」の新たな挑戦が、幕を開けた。

新妻 翔 フリーライター

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にいつま しょう / Sho Niitsuma

1990年生まれ。埼玉県出身・赤羽在住。立教大学社会学部現代文化学科卒業。2013年、金属業界専門の新聞社に入社し、広告営業を5年経験。2018年、インターネット広告代理店に転職し、約2年間フリーペーパーの広告営業に従事。2020年7月からフリーランスのライターとして活動。Twitter:@niitsu57

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