「リスクのある小麦」の輸入を続ける日本の末路 発がん性指摘される農薬を効率重視で直接散布

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(写真:Daniel Balakov/iStock)
徹底した規制緩和で、食料関連の市場規模はこの30年で1.5倍に膨らむ一方、食料自給率は38%まで低下している。
世界的な人口増による食料需要の増大や気候変動による生産量の減少で、食料価格が高騰し、輸出制限が懸念されるなか、日本は「食の安全保障」を確立できるのか。新著『農業消滅』は、日本の農業が今どのような危機にあるのかを伝えています。
本稿は同書から一部を抜粋・編集しお届けします。

「日本産にないリスクのある食べ物」が送られている

アメリカの穀物農家は、発がん性に加え、腸内細菌を殺してしまうことで、さまざまな疾患を誘発する懸念が指摘されているグリホサートを、雑草ではなく麦に直接散布している。収穫時に雨に降られると小麦が発芽してしまうので、先に除草剤で枯らせて収穫するのだ。枯らして収穫し、輸送するときには、日本では使用されていない防カビ剤を噴霧する。

*日本では使用禁止の収穫後農薬であったが、米国からの日本への輸送時に散布可能なように食品添加物に分類変更された。

【2021年9月2日21時30分追記】初出時、小麦の輸出状況について不正確な部分がありましたので修正しました。

「これはジャップが食べる分だからいいのだ」とアメリカの穀物農家が言っていた、との証言が、アメリカへ研修に行った日本の農家の複数の方から得られている。

グリホサートについては、日本の農家も使っているではないか、という批判もあろう。だが、日本の農家はそれを雑草にかける。

農家の皆さんが雑草にかけるときも慎重にする必要はあるが、いま、問題なのは、アメリカからの輸入穀物に残留したグリホサートを、日本人が世界で一番たくさん摂取しているという現実である。

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