三菱重工業は商船建造を3カ所から2カ所に集約、神戸での商船生産打ち切りへ、新事業計画の一環

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三菱重工業は商船建造を3カ所から2カ所に集約、神戸での商船生産打ち切りへ、新事業計画の一環

三菱重工業は神戸造船所での商船建造から撤退し、長崎と下関の2造船所に生産を集約する。神戸では、手持ちの建造が終わる2012年上半期で商船の生産を打ち切る。08年秋のリーマンショック後の極度の受注低迷に加え、現在、鉄鋼メーカーとの鋼材値上げ交渉が続くなど、造船事業の環境は極めて厳しく、生産体制の見直しでコスト競争力を高める狙いだ。

神戸造船所は1905年操業開始で、100年以上の歴史がある。コンテナ船や自動車運搬船など商船のほか、防衛省向けに潜水艦を建造しているが、今後は潜水艦建造に特化する。また、同造船所は現在、原子力関連製品の生産がメインとなっており、09年度の生産高3644億円のうち、原子力関連製品が72%を占め、造船関連は16%にすぎない。商船部門の人員約370人(原子力関連等を含む造船所全体では4000人弱)は原則、所内で配置転換し人員削減は行わない。

三菱重工の造船部門は、前2010年3月期の売上高が2306億円、営業利益は145億円だったが、今11年3月期はそれぞれ2700億円、80億円と増収ながら減益を見込む。15年3月期までの5年間の新事業計画でも、変革事業の1つとされていた。

なお、同事業計画では、原子力などの原動機、化学プラントや製鉄機械などの機械・鉄構、航空・宇宙の3セグメントが成長事業に位置づけられている。現在、造船部門は基幹造船所の長崎のほか、神戸、下関の3拠点体制となっている。これを2拠点に集約し、利益率の向上を目指す。

三菱重工では、商船の需要低迷などで15年3月期に造船部門の売上高が2100億円まで減少すると見込む。その中で、客船や洋上LNG船、洋上風車船など高付加価値分野を前期の2.5倍である1000億円程度まで増やし、新たな収益源に育てる計画だ。

(柿沼 茂喜 =東洋経済オンライン)


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2010.03  2,940,887 65,660 24,009 14,163
連本2011.03予 2,850,000 75,000 35,000 20,000
連本2012.03予 3,000,000 85,000 45,000 25,000
連中2009.09  1,321,639 25,109 2,647 -3,104
連中2010.09予 1,300,000 30,000 10,000 5,500
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2010.03  4.2 4 
連本2011.03予 6.0 4 
連本2012.03予 7.4 4 
連中2009.09  -0.9 2 
連中2010.09予 1.6 2 
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