暗号資産に熱狂する人が醒める奇怪な騒動の行方 初期投資家にコイン配布されず市場外取引疑惑も
年末にかけて落ち込みを見せているが、2021年はビットコインをはじめとする仮想通貨(暗号資産)への投資熱が、過去最大級に盛り上がった年だった。11月9日、ビットコインは史上最高値である約770万円を記録。この1年間だけでも、およそ5倍に急騰する値動きをみせた。
ビットコインに限らずイーサリアムやリップルといった有名な仮想通貨から、フロウやソラナといった新興勢まで、この1年で価値を数倍から100倍以上に伸ばしたものもある。その結果、仮想通貨市場全体の時価総額は1年で4倍に膨れ上がり、3兆ドル(約340兆円)を突破している。
市場を牽引するNFTという新技術
バブル相場とも言える熱狂を牽引している要因の1つにNFT(Non Fungible Token)とメタバース(オンライン上の仮想空間)がある。仮想通貨トレーダーを経て、現在は「SokaiGirls」というNFTプロジェクトを運営するNiCOLE氏はこう解説する。
「非代替性トークンとも呼ばれるNFTとは画像、音楽、動画などのデジタルデータの権利を改ざん不可能なブロックチェーン上に“焼き付ける”ことで、正当性を担保する技術として注目されています。アートと相性がよいとされ、これをメタバース(仮想空間)で飾ったり、人と交換したりといったことが根付き始めています」
マイク・タイソンやエミネムなど、世界の有名アスリートやアーティストの間で広まったムーブメントが今、爆発的な勢いで世界中を席巻し始めているのだという。
NFTの広がりと歩調を合わせるように、メタバースにも熱い視線が注がれている。Facebook(フェイスブック)社も社名をMeta(メタ)に変更。今後、メタバースでコミュニケーションを取るという新しい生活様式に舵を切るであろうことは、この事実からも読み解くことができる。NiCOLE氏は続ける。
「今まではゲームを主体にしたものが多かったのですが、FacebookはSNSを主体にしたメタバースを作ってくるんじゃないかなと思います。実際に触るとよくわかりますが、メタバースで画像やデータを見ると美しい。つまり、コレクター欲がくすぐられるわけです。この気持ちこそがNFTの醍醐味で、今のブームを支えているのだと思います」
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