福島2500人調査で判明「ブースター接種」は必要だ

時間が経つほど下がる抗体価、個人差も大きい

採血スピッツにバーコードを貼り付ける医学生(筆者提供)
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新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種が始まろうとしている。

政府はこれまで、3回目の接種は、2回目との間隔を「原則8カ月以上」としていた。しかし、新たな変異株「オミクロン」の世界的流行により、岸田文雄首相は12月17日、医療者や高齢者ら約3100万人を対象に8カ月から6カ月に前倒しすると発表した。

実は、この「8」か「6」かは、本質な問題ではない。

現在、日本では推計約3000万本以上のコロナワクチンが余剰になっている。流行が確実になる冬を乗り切るためにも、一刻も早く日本に備蓄しているワクチンすべてを、3回目のブースター接種に回さなければならない。その理由を、今回私たちが行った調査結果から、お伝えしていきたい。

抗体の変化をみる追跡調査を開始

私が所属している福島県立医科大学(福島市)では、2021年9月から約2500人を対象に1年半の間、3カ月ごとに抗体の変化を追跡調査するプロジェクトがスタートしている。9月~10月には、福島県相馬市で約500人、南相馬市で約700人、平田村で約1300人の計2500人を採血し、それぞれの抗体価を測ることができた。

参加者は地域の医療従事者はもちろん、老人ホームなどにいる高齢者、市役所職員、一般住民など、さまざまな方が含まれ、年代も10代~90代と幅広い。

採血は地域の医療機関に手伝っていただいた。相馬市では、公立相馬総合病院と相馬中央病院の2病院、南相馬市では、南相馬市立総合病院と6つのクリニック(石原クリニック、こいずみクリニック、しんどうクリニック、ひぐちクリニック、ふりど循環器科、三澤内科ハートクリニック)、平田村ではひらた中央病院に協力してもらった。

採血で得た検体は東京大学先端科学技術研究センターに送られ、検査装置iFlash 3000と、検査試薬iFlash-2019-nCoVシリーズ(すべてYHLO Biotech社製、中国深圳)を⽤いて、抗S抗体と中和活性、抗N抗体の3種類の抗体価が計測された。

今回の約2500人の抗体検査で、コロナワクチン2回接種後の抗体価ついて、明確になったことが、大きく3つある。

1つめは、参加者の約98%が抗S抗体価と中和活性の両⽅において、カットオフ値の10 AU/mL以上であったこと。2つめは個体差で値にばらつきがあり、特に80歳以上では、中和活性の値がカットオフ値の10以下だった人が13%いたこと。

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