今度は女性部長数ランキングを見ていこう。1位はみずほフィナンシャルグループで300人。比率は6.1%だった。役員・管理職登用に向けた女性・外国人向け育成プログラムを実施。産休前の「プレママセミナー」、育休中の「両立支援セミナー」といった職場復帰支援を目的とした取り組みも幅広く行う。ワーク・ライフ・バランスを保ちながら長く働ける環境も整備されつつあり、次世代の部長候補育成も着実に進んでいる。
2位は、りそなホールディングスの214人(10.0%)。女性部長職層に対するメンタリング制度、女性管理職に対する女性リーダー研修、若手女性に対するマイキャリア研修といった階層別の教育に力を入れる。比率も2桁に達して、実績も出始めている。
3位は日本電信電話172人。比率は4.0%とまだこれからといったところだが着実に増加している。以下、4位日立製作所156人(4.5%)、5位NEC140人(5.5%)、6位三菱ケミカルホールディングス114人(4.5%)、7位Zホールディングス113人(11.8%)と続く。
100人以上は8位三井住友フィナンシャルグループ105人(9.4%)まで。全体的に比率は一桁の企業が多い。
女性部長比率が高い業種は?
女性部長比率は年々増加しているが、まだ全体の平均値は4.7%に過ぎない。比率が高い業種でも保険業11.9%(対象13社)、サービス業11.7%(120社)の2業種しか10%を超えていない。金属製品0.3%(30社)、建設業0.8%(71社)など、ほとんどゼロという業種もある。
部長の手前である女性管理職比率も上がったとはいえ、東洋経済調査では9%に満たない水準で、これが日本の上場企業の現状だ。
日本経済団体連合会(経団連)は「2030年までに役員に占める女性比率を30%以上にする」という目標を掲げている。だが、日本企業に多い社内昇進型の役員で30%にするのは楽観的に見ても今後10年では厳しいだろう。そうすると社外取締役で増やすしかない。
女性役員の目標を満たすために社外役員は女性中心といった状況になるかもしれない。これが最終的に理想とする姿なのか。幅広い議論が必要となりそうだ。
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