AOKI、シェアオフィス拠点数首位に躍り出る秘策 ネットカフェがリモートワーク拠点に早変わり

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新型コロナで利用者減に直面する中、シェアオフィス化に活路を見い出す(記者撮影)

「ネットカフェからリモートワーク」が定番になる日も、近いかもしれない。

紳士服のAOKIホールディングスが全国に506店舗(2021年11月26日時点)を展開する、ネットカフェ業界最大手の「快活CLUB」(以下、快活クラブ)。その快活クラブが、ネットカフェの一部を実質的にシェアオフィス化する計画を推し進めている。

まずは12月20日、首都圏中心の100店舗に導入。そして2022年3月には快活クラブの全506店舗で実施し、シェアオフィスとして業界トップの拠点数(提携などを含めない直営拠点ベース)となる算段だ。

「鍵付き完全個室」を生かす

快活クラブは、AOKIのエンターテインメント事業の柱。標準200坪の店舗内にネットカフェ、マンガ喫茶、カラオケ、ダーツ・ビリヤード場を備えた複合カフェだ。快活クラブのネットカフェの特長は、「鍵付き完全個室」の部屋がある点。一般的なネットカフェだと、個別ブースに天井がなく、施錠できない場合も多い。

個室ブースでのリモートワークの様子(記者撮影)

一方、快活クラブには、広さ約1畳半の天井付き・鍵付き完全個室が、1店あたり平均20部屋備わっている。そのうち、約4割にリクライニングチェアが設置されており、それらをリモートワークの拠点として提供する計画だ。個室ブースとカラオケなどの遊興施設は明確な区分けがあり、カウンターでの手続きがなければ自由に往来できない仕組みになっている。

実は、AOKIはシェアオフィスに参入済みだ。今年2月、会員制シェアオフィス「アオキワークスペース」(AWS)を開業、現在神奈川県に3店舗を展開する。しかし他社の出店増に伴う競争激化や、会員登録の煩雑さなどが原因で苦戦が続いていた。

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