AOKI、2年目の「パジャマスーツ」で描く復活戦略

今秋冬の販売着数は大幅増の20万枚を目指す

2020年11月に発売した「パジャマスーツ」。AOKIにとっては単なるヒット商品にとどまらない意味を持つ(撮影:尾形文繁)

「コロナ禍でも売れる商品を作ってほしい」

紳士服のAOKIが2020年11月に発売した「パジャマスーツ」。企画のきっかけは、AOKIホールディングスの青木彰宏社長のそんな一言だった。

新型コロナウイルスの感染が広がった昨年3月以降、紳士服業界は大幅な売り上げ減に見舞われた。来店客数の減少だけではない。家で仕事をするリモートワークが定着し、スーツの需要自体が”消滅”してしまったのだ。

これまでもクールビズやカジュアル化で「スーツ離れ」は進んでいたが、新型コロナが決定打となった。そうして「せっかくご来店いただいても、売れる物がない状態だった」(青木社長)。

異例ずくめの「スピード」開発

スーツが売れないなら、それに代わる製品を作り出す必要がある。企画を任された水谷修・商品副本部長が目をつけたのは「おうち時間」だった。

衣料品の売り上げが大幅減となる中、唯一売れていたのがシルクなどで作られた高級パジャマだった。AOKIがパジャマそのものを作っても勝ち目はないが、「リモートワークや外出もでき、さらに部屋着としても着られる服ならニーズがあると思った」(水谷副本部長)。

コンセプトは、着心地はいいが、スーツ着用時のようなスタイルもキープできる「パジャマ以上、おしゃれ着未満」。企画は昨年5月にスタートした。新型コロナの感染が拡大する中、何よりも求められたのはスピードだった。通常、商品を開発する場合、まず商品企画を固めてから、素材を開発し、委託工場を選定する。しかし今回は時間がない。まだ「パジャマスーツ」という商品名が決まらない段階から、素材、工場の選定を行わなければならなかった。

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