WeWork「利用料半額キャンペーン」に透ける思惑

コロナで稼働率悪化、株式上場にらみ躍起に

WeWorkからオフィス仲介会社に送付されたチラシ(記者撮影)

「月額メンバーシップ料金半額キャンペーン」

今春、アメリカのシェアオフィス大手「WeWork(ウィーワーク)」は、日本国内のオフィス仲介各社にこんなチラシを配布した。6月までに6カ月以上の契約を結べば、個室や固定席の月額利用料が最大で1年間半額になるという内容だ。

チラシによれば、キャンペーンの対象拠点は都内にある「日テレ四谷ビル」「Daiwa晴海」「Hareza池袋」「神田司町PREX」「リンクスクエア新宿」の5拠点だ。

別の仲介会社向け資料によれば、各拠点の個室1席あたりの定価は、キャンペーン対象のうち最も安いDaiwa晴海でも月7万円。リンクスクエア新宿では同13万円だ。1年間限定とはいえ半額の威力は大きい。

実際にはコロナ以前から値引き

ウィーワークは2018年2月に港区六本木に日本第1号店を開業して以来、飛ぶ鳥を落とす勢いで拠点を拡大し続けていた。2021年6月時点で全国38カ所まで拡大し、7月には西新橋、8月には日本橋兜町にも新規出店を予定している。

グレードの高いビルやデザイン性の高い内装をウリに、他社のシェアオフィスとは一線を画した高級路線を歩んでいたウィーワーク。国内で個室の月額利用料が最も高い旗艦拠点である「アイスバーグ」(東京都渋谷区)は月17万円にのぼる。郊外や地方部では10万円を切るが、いずれの拠点でも周辺のオフィス賃料と比べて3倍以上の水準だ。

定価を高く設定する一方、以前から2割程度の値引きが行われていたようだ。その値引き幅も2021年に入って拡大。営業員と個別にやり取りすると、チラシに記載されている拠点以外でも賃料を半額以上割り引くケースもあるという。都内のオフィス仲介会社の担当者は「定価など、あってないようなもの」と話す。

日本法人「ウィーワークジャパン」の広報担当者は、「顧客に最適であると考えられるプランをカスタマイズし、提案している。契約内容は企業によって異なるため開示できない」と回答した。

次ページ値引きの背景に稼働率の落ち込み
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