AOKI、シェアオフィス拠点数首位に躍り出る秘策 ネットカフェがリモートワーク拠点に早変わり
他方、快活クラブもコロナ禍で客数が激減し営業赤字に転落。特に飲み会後の始発待ちや出張時の宿泊利用など、高収益の見込める深夜帯の客が減ったことが響いた。そこで持ち上がったのが、AWSとの相互利用だった。
今年10月、快活クラブとAWSの併設店において、快活クラブの会員がオフィスの内覧や契約手続き不要でAWSを利用できるサービスを開始した。するとAWSは伸び悩んでいた時間利用の客が、快活クラブでは個室の利用客が、それぞれ増加した。
ただ、快活クラブをシェアオフィスとして利用する場合、1つ問題があった。勤務先に「快活クラブ」のレシートを出しても、経費として認められない可能性のあることだ。そこで今後は相互利用を拡大するとともに、快活クラブでもAWS名義のレシートが出せるようにする。シェアオフィス化のキモはまさにここにある。12月20日に100店舗に導入するのも、この会計時の「レシート出し分け」サービスとなる。
以前から存在したリモートワーク需要
快活クラブをシェアオフィスとして利用する動きは、以前からあった。バックオフィス業務を中心に人材派遣事業を手がけるキャスターの中川祥太代表もその一人。同社ではフルリモートワークを導入中で、中川氏も約4年前からリモートワークを行うが、その拠点はもっぱら自宅近くの快活クラブだ。
「以前はコーヒー屋でリモートワークをしていたが、声を発する電話や会議ができず不便だった」(中川氏)。一口にリモートワークといっても、メール対応などのデスクワークからオンラインミーティングまでさまざまだが、「日本はオンラインミーティングの時間が長いと感じる」(同)。そうなると、快活クラブの鍵付き・完全個室が力を発揮する。通信環境も、一般のシェアオフィスと同等のWi-Fi規格を使っている。
快活クラブは全506店のうち75%が郊外のロードサイド店。自宅の近くで気軽にリモートワークができる。名物のソフトクリームが食べ放題であることも、休憩中のちょっとした楽しみになる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら