激動2021年「視聴者に刺さったCM」納得の共通点 「withコロナ」で奮闘する人々を励ますCMに支持

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続いて紹介するのは、BASEが運営するネットショップ作成サービス『BASE(ベイス)』。CMを開始した2018年より香取慎吾を起用し、2020年11月からは香取が「ネットでお店を開くならBASE」という言葉を聞き間違えるCMを放送。2021年6月度には香取が“BASE 利用者”、山本舞香や角田晃広が“BASE 偏見派”に扮してダンスバトルをするシリーズがヒットして初のCM好感度トップ5入りを果たした。

山本率いる偏見派に「♪ネットでお店を開くのは面倒くさいの?」と攻められるも、香取ら利用者が「♪超カンタン!」と応えるCMで、角田出演作も同様に展開。主婦層を中心に得票し、前年度の9倍以上のスコアを獲得した。

【BASE】偏見派と利用者の抗争・角田晃広篇(動画:BASE公式チャンネルより)

本年度のCMについて同社に聞いたところ、コロナ禍で高まるECサイト開設のニーズを受け、認知拡大を狙ったとのこと。過去のCMで好評だったメロディーを軸に記憶に残る表現を作り、SNSなどでの展開も強化。媒体に合わせて効果を最大化するためABテストで表現の検証を繰り返すとともに、放映枠も解析を行いながらプランを構築し、前年比で認知度は170%※、指名検索数は192%を実現したという。(※インターネット調査会社調べ。期間:2021年5月~10月)

“おうち時間” を心地よく過ごすためのCM

本年度の「消費者を動かしたCM展開」には “おうち時間” を心地よく過ごすための商品・サービスのCMが目立った。フードデリバリーサービスをアピールした『Uber Eats』『出前館』をはじめ、テイクアウトも積極的に訴求した日本マクドナルド、ゼンショー『すき家』などのファストフード、『BASE』や『メルカリ』といったEコマース関連のCMが選出されている。

また飲食店の営業時間短縮などを背景にキリンビール『キリン ホームタップ』、サントリースピリッツ『こだわり酒場のレモンサワー』の瓶タイプの商品など、“家飲み”関連のCMも顔をそろえた。またNiziUがビーズソファでくつろぐウェブシャーク『Yogibo』のCMなど、“巣ごもり需要”を狙ったCMが多かった。 このほか滝藤賢一と横澤夏子が経理部員を演じるラクス『楽楽明細』のCMといった業務のDX化を目指したBtoB向けサービスのCMも見受けられた。

関根 心太郎 CM総合研究所 代表

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せきね しんたろう / Shintaro Sekine

1973年生まれ。1999年株式会社東京企画/CM総合研究所に入社。システム開発・データベース構築の責任者を経て2014年より現職。消費者3000人を対象としたCM好感度調査を中心に、テレビCMの広告効果測定および研究分析を実施。このほか企業へのコンサルティングや情報提供を通して、広告活動の最適化に向けた課題解決のサポートを行っている。

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