野口聡一が宇宙に「サバ缶」を持ち込んだ背景事情 メイドインジャパンの食や衣服の技術伝える契機

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実は、国際宇宙ステーションでは、スーツケースいっぱいになるくらいの調味料を取りそろえていた。ステーキ肉やお魚の缶詰にアレンジを加えるためにちょっと振りかけるだけで、食生活は実にハッピーになる。こうして、調味料をめぐる異文化交流は、食卓を豊かにしてくれた。

宇宙の装いを変える〝メイドインジャパン〟

わたしがユーチューブを通じて船内活動をお伝えしているときに身に着けていたブルーのフライトスーツのこと、お気づきだっただろうか。これは日本のアパレルメーカー「ビームス」(BEAMS)が製作したものだ。このほかにもTシャツ、ワイシャツ、ポロシャツから下着まで取りそろえ、わたしの船内活動を快適にしてくれた。

ビームスは1976年の創業。「モノを通じて文化をつくる」という理念のもと、日本人のきめ細かなモノづくりのよさを発信している。わたしも普段着によく使うメーカーなので、そのこだわりがよくわかる。来る宇宙観光時代に、日本の民間企業がさまざまなプロジェクトによって宇宙で活躍することはとても喜ばしい。今回、ビームスとJAXAが組んで夢のコラボが実現した。

国際宇宙ステーションの船内は、地上と同じ1気圧に保たれ、快適な温度や湿度に調整されているため、宇宙服を着る必要がなく、地上と変わらない服装を身につけることができる。

そこで一番大事になってくるのが、防火性。これまで船内服には燃えにくい綿100%を使ってきたが、ごわごわした肌触りがわたしには気になっていた。

しかも宇宙滞在中は洗濯ができない。ポロシャツなら15日に1枚、下着は3日に1枚といった具合に数量が限定されている。どうしても吸水速乾や抗菌消臭性を持つ素材が必で、その点、化学繊維のほうが優れている。不燃性を保つ範囲内で、綿と化繊を配合した繊維を使うほうが快適だ。

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