④水は使えば使うほど高くなるが上げ幅は自治体ごとに異なる
水使用料は使えば使うほど高くなる仕組みだ。横浜市の場合、1〜8㎥までの1トン当たり単価は4円だが、9〜10㎥までは48円、11〜20㎥までは177円と上がっていく。
広島県海田町は上げ幅を細かく刻んでいる。
一方で、茨城県行方市の従量料金は、使用量に関係なく1㎥当たりの単価は264円になっている。
これは高知県佐川町も同様だ。
では、値上げを実施した各自治自体の20mm口径での20㎥の1カ月の水道料金はどのくらい上がったか。上で示した自治体では月額287円〜850円の間であった。
水道料金をペットボトルにあてはめると
同じ水の出費でもペットボトル水(ミネラルウォーター)はどうだろうか。日本ミネラルウォーター協会によると、1982年のミネラルウォーター生産量(国産、輸入の合計)は8万7163kLだったが、2020年には418万2498kLと48倍近くに膨らんでいる。
では、ミネラルウォーターの価格はいくらか。総務省統計局の小売物価統計調査(2021年10月)によると全国のスーパーで売られているミネラルウォーター1本(2リットル)値段の平均は102円。
これを、今回一番高かった行方市の水道料金と比べてみよう。同市で20㎥を使用すると1カ月に5280円。これから2リットルの料金を計算すると0.53円となる。別の見方をして月の値上げ額287〜850円をペットボトルの本数に当てはめると2.8〜8.3本分となる。
それなら家計の負担を減らすために、ペットボトル水をやめればよいのでは……と思うかもしれないが、そうはならない。あたりまえだが、全員がペットボトル水を飲んでいるわけではないからだ。
2020年7月、ミツカン水の文化センター「水にかかわる生活意識調査」(東京圏、中京圏、大阪圏の1500人対象)が、「市販のペットボトル入りの水を飲む頻度」について調査した。それが上のグラフだ。ペットボトル水を「ほぼ毎日飲む」人が24%いる一方で「ほとんど飲まない人」は42%いる。
ところで、自治体の水道局もペットボトル水(ここでは「ペットボトル水道水」という)を製造していることをご存知だろうか。水道水のおいしさをアピールするためにはじまった事業で、2003年ごろから本格化した。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら