Apple Watchはどこまで使える? ウェアラブルの標準にはなりそう

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デザイン面で相当な配慮がされ、革新的な機能を搭載しているというアップルの主張は否定しないが、どの主張にも”スマートウォッチとしては”というエクスキューズが、今のところはついたままだ。時計の好みは三者三様。携帯電話があれば腕時計はいらないと、腕時計をしなくなった人も増えている中で、スマートフォンの情報を得るために腕時計をするという提案を行おうというのだからハードルは低くない。

一方、この製品(Apple Watch)を見たことで評価を革めた製品がある。それはソニーが先週発表したばかりのSmartband Talkという製品である。

Smartband Talkは「活動量計+電子ペーパーを用いた時計+スマートフォンの情報・通知ディスプレイ+ヘッドセット+ボイスコマンド用マイク」といった製品で、活動量計を基礎にしたセンサー系ウェアラブルデバイスを発展させた製品である。ユーザーとのインターフェイスは音声とボタン、それに本体を指で叩いて操作する加速度センサーを応用したシンプルな操作性しかない。

腕時計と棲み分けるのも道

現時点ではバッテリ持続時間やサイズなどの面で改善の余地はあるが、Smartband Talkには、常に装着していても腕時計ほどの存在を感じさせない利点がある。これがさらに小型化、薄型化されれば、腕に嵌めていることを意識させない製品に仕上げていくこともできるだろう。

時計としての存在感を主張し、より良い時計であろうとするApple Watchとは真逆の商品であるが、時計は毎日身に付ける装飾品として長い歴史を感じさせる多様さを誇る。その時計という商品、文化をリスペクトした上で、あえて存在感の希薄なウェアラブルデバイスへと向かうというのもひとつの決断だろう。

このような商品を含め、Apple Watchは新しい商品への気づきをもたらす製品になるかもしれない。良くも悪くも世の中へのノイズを作るのが上手なアップルである。その影響力はライバルにとっての脅威でなく、成長への道標となると思う。
 

本田 雅一 ITジャーナリスト

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ほんだ まさかず / Masakazu Honda

IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、ネットワークサービス、インターネットカルチャー。テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフスタイル、および関連する技術や企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーするコラムニスト。Impress Watchがサービスインした電子雑誌『MAGon』を通じ、「本田雅一のモバイル通信リターンズ」を創刊。著書に『iCloudとクラウドメディアの夜明け』(ソフトバンク)、『これからスマートフォンが起こすこと。』(東洋経済新報社)。

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