Apple Watchはどこまで使える? ウェアラブルの標準にはなりそう

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もちろん、そうしたアプリケーションも今後はたくさん登場するだろう。しかし、分野によってはもっと深堀りが必要なものもある。

アディダスが発売しているSmart Runというスマートウォッチは、目的に応じてトレーニングプログラムを作り、心拍計のデータを元にしてリアルタイムに利用者へとアドバイスを送るという製品だ。アディダスはプロのスポーツチームをサポートするために、ウェアラブル技術を以前から開発しており、それらを活かした本格的な製品だ。普通の時計として使うようなものではないが、奥が深く特定のユーザーにとっては大きな魅力がある。

カジュアルなのか、スポーツ用なのか

実はApple Watchは、その両方を備えている。アディダスのSmartRunには、緑色LEDで毛細血管を透かして撮像素子で計測。その動きから心拍を測るMIOというベンチャーの技術が使われている(アディダスはMIOを買収した)。Apple Watchに使われているものが同じか否かはわからないが、見たところ類似する技術が備わっていることは間違いない。

もちろん、Apple Watchをカジュアルに使うのか、それともシリアスなスポーツウォッチとして使うのか、それはユーザー次第であり、アプリケーション次第だ。しかし、そのいずれにも対応できる、プラットフォームとしての柔軟性を備えている点がこれまでのスマートウォッチと異なる。アプリケーションを使い分けることによる適応幅が広いと言えるだろう。

Apple Watchは、おそらく”成功”と言われるだけの数を売りさばくだろう。まだ未成熟なスマートウォッチ市場に対して、Apple Watchは機能面でもデザイン面でも大きな魅力を提供している。iPhone 6の新機能でもあるApple Payにも対応しているというから、とりわけ米国のiPhoneファンにはたまらない製品となるはずだ。

しかしアップルの持続的な成長を支える柱の一つと言うには性急すぎる。現時点でApple Watchのバッテリ持続時間などが発表されていないが、デザインやバッテリ持続時間、ディスプレイの見やすさやサイズなどのブレークスルーがあるまで、一旦成長した市場が停滞する可能性も高いと思う。欲しい人に行き渡った後に、より幅広い消費者に届く製品になるかどうか、まだ疑問が残るということだ。

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