メルケル後のドイツ、不安定な新政権に試練多く コロナ再拡大、対ロシア外交、気候変動と難題続き

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中長期的には新政権の目玉政策である気候変動対策と、エネルギーの安定供給やドイツの産業競争力とをどう両立するかが問われる。新政権は気候変動対策を大幅に強化し、石炭火力の廃止を2038年から2030年に8年前倒し、電源構成に占める太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの割合を2030年までに80%に引き上げ、電気自動車や充電スタンドの普及促進などを目指している。

気候変動対策を取り仕切る経済・環境保護相には、緑の党の共同代表のハーベック氏が就任し、副首相を兼務する。著作家出身の同氏は、かつてシュレースヴィヒ=ホルシュタイン州のエネルギー転換・農業・環境・自然・デジタル化担当相兼副首相として、同州の再生可能エネルギーの普及率を倍増させた実績を持つ。

風力発電施設や送電線の設置に反対する漁師や農家の声に耳を傾け、環境に優しい漁業や農業の実現を訴え、粘り強く説得したとされる。同氏は現実主義者としての一面も持ち、最終的な目標達成に向けて必要な妥協ができる人物とも評される。

エネルギーの安定確保、コスト負担や財源の問題も

対ロシア制裁でノルドストリーム2の稼働が難しくなった場合、天然ガス価格の高騰を招く恐れがあるほか、安定供給確保に向けてエネルギー政策の抜本的な見直しを迫られる。また、従来型エネルギーに依存する既得権益層からの反発、脱炭素化に伴うコスト負担の増加、産業構造の転換、煩雑な行政手続き、財源の捻出など、改革実現には乗り越える課題も多い。

エネルギーシフトに必要な財政資金の裏付けをめぐっては、財務相にFDPのリントナー党首が就いたため、調整が難航するかもしれない。同党首はビジネス重視で増税に反対する自由主義論者で、財政規律を重視している。

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