メルケル後のドイツ、不安定な新政権に試練多く コロナ再拡大、対ロシア外交、気候変動と難題続き

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新首相に就任したSPDのショルツ氏(写真:Bloomberg)

ドイツでは12月8日、中道左派の社会民主党(SPD)、環境政党・緑の党(Grüne)、リベラル政党・自由民主党(FDP)の3党による連立政権が発足し、SPDのショルツ氏が新首相に就任した。

第2次大戦後の西ドイツと東西再統一後のドイツでは、中道右派のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)とSPDの2大政党が、他の小政党と手を組み、交代で政権を担ってきた。近年は有権者の多極化が進み、2大政党の集票力低下と連邦議会で議席を獲得する政党が増えたことから、「2大政党のいずれか+小政党」の2党で安定した政権を発足することが難しくなりつつある。

年内の連立発足には漕ぎ着けたが

9月の連邦議会選挙後は国政レベルで初の3党連立に向け、協議を重ねてきた。緑の党とFDPの間には気候変動対策や財政運営をめぐって政策相違も多く、2017年の前回選挙後の連立協議が暗礁に乗り上げたのも両党間の溝が埋まらなかったためだった。そのため、当初、連立協議が長期化するとの不安もあったが、3党は政策相違を乗り越え、目標としていた年内の政権発足に漕ぎ着けた。

ドイツでは政策の細部にわたる連立綱領をまとめるのが通例のため、連邦議会選挙から政権発足まで時間がかかるのが一般的だが、半年近くに及んだ2017年の前回選挙と比べて、政治空白は73日と比較的短期間にとどまった。

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