歴史的高値の今こそ役立つ「株価チャート」分析術 上場来高値が相次ぐ中では長期の視点が大切だ

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次に、上場来高値を今年5月に更新し、その後も上昇基調が続いているトヨタ自動車を見ていこう。上場来高値圏にあるので過去のフシはなく、目標を立てづらい。そのときは、月足チャートを現在から過去にさかのぼって型を見つけ、目標値を計算すればよい。

トヨタの場合、最初の目標値として参考になる計算方法は「保ち合い幅の2倍増」だ。2017年後半から2021年初めにかけて、株価は上値1605円・下値1154円の保ち合いが続いていた。幅は451円だ。これを上値1605円に足した2056円が1つの目標となる。しかし、これはすでに6月に突破している。次の目標値が必要だ。

2つ目の目標値は「下がった分だけ倍返し」。株価が上がった後、急に下がったときに役立つ。2011年から2015年高値1756円まで5年かけて上昇した後、翌2016年には983円まで大きく下げた。この下げ幅は773円。これを高値1756円へ足した2529円が次の目標値となる。

ただ、株価はまだ上昇トレンドにある。2529円も早晩超えてくるかもしれない。その際に3つ目の目標値となるのが「上がった分だけ2倍増」。長く上がり続けているときの目標値として参考になる。2011年安値466円から2015年高値1756円までの上昇幅は1290円。これを高値1756円に足すと3046円。これが3つ目の目標値となる。

銘柄発掘に役立つ「月足ぴょこ」

最後に、四季報による銘柄発掘を得意とする株式投資講師、藤川里絵氏が編み出した「月足ぴょこ」を紹介しよう。株価が長く下がってきたが、直近1カ月で急騰し、白くて長い月足がぴょこっと出ているケースだ。

株価が長期低迷から反転したのはそれなりの理由があるはず。その勢いに乗ってみるのも1つの投資法だ。

『会社四季報』2021年4集秋号で藤川氏が見つけたのはシャルレ。秋号発売時点の株価は460円程度だったが、11月4日には868円まで2倍近くに駆け上がった。10月29日に今期営業利益の予想を大幅に引き上げたからだ。月足ぴょこは有効だ。

山本 隆行 『会社四季報』元編集長

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やまもと・たかゆき / Takayuki Yamamoto

早稲田大学法学部卒。『週刊東洋経済』編集部に通算10年所属していたこともあるが、記者、編集者としての人生の大半を切った張ったのマーケット中心にささげてきた。『オール投資』『会社四季報』編集長、四季報オンライン編集長を歴任。近著は11月刊行の『伝説の編集長が教える 会社四季報はココだけ見て得する株だけ買えばいい 改訂版』。

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