2040年には男30%、女20%に?
一部報道で、生涯未婚率を男28.3%、女17.9%としているところがあります。しかし、それは、配偶関係不詳と年齢不詳を按分合算した「不詳補完値」を使用したものです。
前述した通り、2015年までの数値は不詳を除く計算式で算出していたので2020年だけ 「不詳補完値」を使用した数字で推移を見るのは適切ではありません。総務省統計局に直接問い合わせをしましたが、基本的には「不詳補完値」はあくまで参考値であり、それを用いて算出した値を2020年の生涯未婚率として推移表記するのは適切ではないという見解でした。
もし「不詳補完値」を正とするのであれば、それ以前の過去データもすべて遡及集計する必要があります。しかし、2020年の「不詳補完」による計算を過去データにあてはめてすべて遡及集計することは統計局的には不可能だということです。今後、年齢不詳や配偶関係不詳の人数が激増した場合、将来的に「不詳補完値」を正とする時期がくるかもしれませんか、現時点ではそれはありません。
とはいえ、男25.7%、女16.4%だったとしても、過去最高であることに変わりはありませんが、私個人的には、当連載でも何度も書いてきたように、2020年のこの数字は予想通りのもので特に驚きはありません。
国立社会保障・人口問題研究所による2018年公開の将来人口推計においても、2020年の生涯未婚率推計値は、男26.7%、女17.5%でした。推計値のほうが約1%程度高いですが、大きな流れとしては推計通りといえます。
このまま推計通りにいけば、2040年には男30%、女20%近くまで生涯未婚率はあがります。男の3人に1人、女の5人に1人が生涯未婚となります。その中には未婚のシングルマザーを選択する女性や、婚姻せず事実婚で生活を共にする男女も未婚としてカウントされます。
さて、この生涯未婚率の都道府県の推移についてもあわせてみてみましょう。
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