1つめの簡単秘訣は、「『設計図』を描く」ことです。
「描きたいものがどんな図形(三角形、長方形、円、正方形など)で成り立っているのかを見極め、下描きをすること」が、「設計図」の基本です。最初の5分で、これを完成させます。
では、手を握って人さし指を突き出した「指さし」の絵を描いてみましょう。
「手を描く」と聞いて、おじけづいてしまう人も多いですが、「見覚えのある形」に分解してしまえば、不安もなくなります。
手のひらの部分は「大きな円」、人さし指や親指は「長方形」、残りの指は「楕円形」に見えませんか? これらの「基本図形」を組み合わせたものが、「指さし」の絵の「設計図」です。
このように、まずは「設計図」を描いてから整えていくのが、私のメソッドです。余分な線は、あとで消せばよいのです。そのためには、「軽いタッチで描く」こともポイントになります。
「小道具」で、すばやくきれいな「設計図」に
限られた時間で「設計図」をきれいに描くためには、「小道具」を使うのも「キスラー流」です。「テディベア」を例にとってみましょう。
世界じゅうで愛されるモチーフも、先ほどの視点でよく観察してみると、たった2つの「基本図形」で構成されています。「円」と「楕円形」です。
頭、胴、足、手、耳に、計8個の大小の「円」を、口まわりと鼻に「楕円形」を配置すると「設計図」が完成します。
フリーハンドできれいな円を描くのが難しければ、紙コップや硬貨など、身近な円形のものをなぞってみましょう。ちょうどよい大きさが見つからなければ、とりあえず「手元にある円形のもの」をなぞって、その線を基準に大きさを調整すればいいのです。
この「設計図」をもとに、線をつなげたり、丸みをつけたりしながら、よりリアルな形に近づけていきましょう。最初に、物の形を見極めて「設計図」をしっかり作ることが、絵の仕上がりを左右します。
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