日本企業が「GAFA+X」に謙虚に学ぶべき7大教訓 「本書は2022年を生きるヒントが詰まっている」
どこでも消費や学習ができるというのもそうですね。映画館に行かずとも、ネットフリックスで映画を楽しむことができますし、「スタディサプリ」のように、どこでも学習できるサービスもあります。
医療関係では、「メドピア」という医師のコミュニケーションを図るためのサービスがあります。各地で活躍する医師、彼らの意見を集約することで、より良い治療法を模索していく仕組みです。
継続課金で強固な基盤を築くこと、消費者が購入するか否かの意思決定をする機会をなるべく減らすことも、重要な点です。
アマゾンはプライムに、アプリはサブスクリプションへと変化しています。ビジネスを安定させる要素が強いですし、そのようなモデルは企業にとって魅力的です。
例えば、新築のマンションに浄水器が設置されており、使ってみて気に入れば、サブスクリプションに移行できるというサービスがあります。最初からプリインストールされているのはITでは常識ですが、今後はリアル製品でも多数出てくると思われます。
コーヒーのサブスクリプションも有名ですね。月額を支払うことで何杯でも飲めるコーヒースタンドや、自動販売機なども増えています。適用できるビジネス分野はさらに広がっていくでしょう。
「踊る」のではなく「踊らせる」企業が力を高める
GAFAのビジネスモデルの特徴は、消費者をコントロールするだけでなく、競合他社の行動原理をコントロールするところにあります。
フェイスブックはゲームのプラットフォームを提供しています。すでに月間ユーザーが何億人もいるプラットフォームを使ってゲームを出せるのなら、開発会社側も自然にフェイスブックのプラットフォームに頼ることになるでしょう。
こういった形では、強者が一層強者になるという面がありますが、新たな流れもつくれます。例えば、プロジェクトマネジメントに特化した、マネジメントソリューションズという会社があります。
本来、社内の担当者がやっていた一部プロセスに特化したサービスを立ち上げ、商品として提供する。これにより、外部リソースを使うことが定着していく流れは、これまで多くの大ヒット製品を生み出してきました。
フェイスブックのゲームプラットフォームであれば、ユーザーを獲得する作業の一部を、代行してやってくれる側面があります。
「ランサーズ」のように、フリーランサーに非常に簡単に仕事を発注できるという形式も、流れを変えました。それまで使っていなかった要件でも、スピーディーに外部の方に依頼する新たな仕事の流れができたわけです。
消費者を含めたプレイヤーの行動を変える仕組みが、多くのプラットフォームには組み込まれているのです。
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