日本企業が「GAFA+X」に謙虚に学ぶべき7大教訓 「本書は2022年を生きるヒントが詰まっている」

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教訓1:「テックを取り入れる」のではなく「テック企業になれ」

GAFAがどんな足跡をたどったかを知ることで、自分たちもマーケットクリエイターになるチャンスが見つかると考えなければなりません。

なかでも、「あらゆる業界でテクノロジー企業が勝者になる」という考え方は、非常に重要だと思います。

老舗であっても、今後は、テクノロジーをベースにしたマーケティングを行うことが極めて強く求められます。

日本の老舗企業は、技術があり、間違いなく良いプロダクトはできると思います。しかし現代は、お店の前で「ここ美味しいのかな」とユーザーレビューを検索する人がいるという社会です。そこを想定して、テクノロジーとプロダクトをどう組み合わせるか、学ばなければなりません。

本書は、「テックを取り入れる」というよりは、「テック企業であれ」と提言しています。テック企業だからこそ見えるマーケットの獲得法があり、テック企業としての着眼点こそGAFAが成功した要因でもあるからです。

もしかすると自社が取り込める市場を、テック企業の発想を持てないために見過ごしてしまっている可能性があります。テック企業の基盤を持つことで、視点が変わり、見えなかったマーケットが見えてくる。自分たちのチャンスでなかったものが、絶好のチャンスになるわけです。

一方的に搾取される側になるのでなく、彼らと同じことを違う視点でやることが大切です。基本的に、アメリカの企業が強い力を持って世界を席巻しているとされていますが、例えば、中国企業は、彼らの影響を跳ねのけながら新しいベンチャーを生み出し、強い会社をつくっています。これは、学ぶべき点だと思います。

ほとんどの方は、GAFAのような企業には手も足も出ないと考えがちです。しかし「怖い」とアレルギーを起こして避けるよりは、積極的に学び、どうヒントを得るかを考えることがプラスを生み出します。

「ブランド」が力を持った時代が終わった

教訓2:「ユーザーレビューが支配する時代」に対処せよ

本書では「『ブランド時代』が終わり、『プロダクト時代』がやってくる」と書かれていますが、ここもよく咀嚼する価値がある提言です。

ブランドというものは、期待感と品質保証、メッセージ性がある広告でした。しかし、プロダクト時代の現在は、ユーザーレビューがすぐ掲載され、実際に使った人のメッセージが、インターネット上に羅列されてしまう。

プロダクトだけではなく、ユーザーレビューが並行して存在していなければ、プロダクト時代の波には乗れません。プロダクト時代とは、ユーザーの体験談がすぐに広まる時代のことなのです。

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