もはやリア充、若者が自宅で励む「推しごと」事情 持て余す「おうち時間」を若者はこう活用する

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③ オリジナルガーランド
身近な材料だけでつくったガーランド(写真:筆者提供)

オリジナルガーランドとは自作した旗や飾りのついたひも状の装飾品のこと。ガーランド自体はもともと、バースデーサプライズなどで利用されてきたが、最近は推しの写真や団扇などを挟んだオリジナルガーランドを作ることが、オタク層を中心に流行している。100円均一などの身近な材料だけで、グッズを挟むだけで完成する簡単さもあり、若者間で広がり始めている。

以上、さまざまな自宅での「推しごと」について紹介した。

「推しごと」の様子をSNSで発信することで、オタク仲間など新たな友人関係を築いている若者も多い。コロナ禍にあって、オフラインでの活動が制限されるなか、自宅で「推しごと」を行っている様子をSNSにアップすることで若者たちは推しに会えない寂しさを紛らわせながら、人との繋がりを保っている。

原田の総評:「リア充オタク」も増加

現役大学生の「推しごと」に関するレポートはいかがでしたでしょうか?

インターネットのなかった時代のオタ活は、多くの時間と労力とお金を注ぎ込まなくてはならず、ごく一部の人しか行うことができませんでした。
しかし今はネットやSNSやYoutTubeから楽に情報を入手できるようになり、昔で言うところのいわゆる「オタク」でなくても、ごく普通の若者たちが「オタ活」や「推し活」を行うことができるようになり、市場が大きく拡大しています。

中には「リア充オタク」と呼ばれる、ネットやSNS普及以前であればあまり存在しえなかったであろう、「リア充」と「オタク」と、それぞれ真逆の特徴を併せ持つ人たちも存在するようになっています(オタク市場についてご興味ある方は拙著『新・オタク経済』をご覧下さい)。

そして、コロナ禍では、その普通の若者たちによる「推し活」が家の中にまで及ぶようになりました。

コロナ禍で長らく苦しむエンタメ業界は、この普通の若者たちに根付いた「自宅」における「推し活」に注目することが、業界復活の一助になっていくかもしれません。

原田 曜平 マーケティングアナリスト

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はらだ ようへい / Yohei Harada

1977年生まれ。慶應義塾大学商学部卒業後、博報堂に入社。ストラテジックプランニング局、博報堂生活総合研究所、研究開発局を経て、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。2018年よりマーケティングアナリストとして活動。2003年、JAAA広告賞・新人部門賞を受賞。著書に『平成トレンド史』『それ、なんで流行ってるの?』『新・オタク経済』『寡欲都市tokyo』などがある。YouTubeはこちら

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