サンリオがクロミに託す「脱かわいい」の重大任務 Z世代に照準、構造改革を背景に全社で店舗刷新

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今回のリニューアルは、「クロミがいたずらでお店に魔法をかけた」というストーリー。かっこいい中にも、かわいいを内包するのがクロミの特徴だろう(記者撮影)

「かわいい、ピンク。子供っぽい」。そんなイメージから脱却できるか、サンリオの社運を懸けた全社プロジェクトがついに本格始動した。

10月8日、サンリオはダイバーシティ東京(東京都江東区)の直営店舗をリニューアルオープン。同社の人気キャラクター「クロミ」を前面に押し出す形で一新した。店頭は従来のカラフルなイメージと異なり、黒を中心にシックな装飾としている。

フードもクロミの影響で黒が中心になっている(記者撮影)

店舗限定商品も黒で攻めている。ハローキティをはじめ、シナモンやマイメロディなどのぬいぐるみは黒一色だ。マスクやエコバッグ、プチタオルもそれぞれ黒で統一。アイスクリームやケーキなどの飲食メニューまでが、黒色のフードを中心としている。

Z世代に刺さる新エースキャラ

今回の主役、「クロミ」は2005年に生まれたキャラクター。ドクロがチャームポイントで、おっとりしたマイメロディに対してライバル心を持ち、ちょっかいを出す。乱暴者に見えつつも、実は女の子らしい。そんな性格が16~25歳の「Z世代」を中心に人気を集めている。

ファンの投票で決まる「サンリオキャラクター大賞」では10位付近を行き来していたが、2020年に7位、2021年は5位にランクイン。キティ(6位)を抜き、ライバルのマイメロディ(4位)に肉薄する人気ぶりだ。

キャラクターを前面に出すイベントショップ自体は珍しいものではないが、同店の持つ意味は単なるリニューアルにとどまらない。サンリオの構造改革と新戦略を背景とする一大プロジェクトなのだ。

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