サンリオがクロミに託す「脱かわいい」の重大任務 Z世代に照準、構造改革を背景に全社で店舗刷新

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前2021年3月期に12期ぶりの最終赤字に転落したサンリオは構造改革の真っ最中だ。物販事業ではアイテム数の大幅な削減、不採算店の撤退などを打ち出している。コロナ禍ではショップを支えていた訪日客需要が消失し、とくに都内は厳しい状況に陥った。

また、以前からの課題としてブランドイメージが「かわいい、ピンク、子供っぽい」に集中し、顧客が固定化する現象も起きていた。従来のサンリオのイメージを抜け出し、新たなファンを開拓する取り組みが必要だったのだ。

脱サンリオでファン層を広げる

黒い頭巾を身に着け、いたずら好きの要素を持つクロミは、「優しい、仲良し」といった特徴を持つキャラクターが多いサンリオでは異質な存在。人気上昇中ということもあり、プロジェクトの主役にうってつけだった。クロミを通じてZ世代を取り込み、店舗のみならず、サンリオ全体の新しいイメージをアピールする狙いがある。

商品企画部の荒木仁氏も「脱サンリオ」を強調する。「新しいお客様に関心を持っていただくため、クールでかっこよく、モノトーンな店舗づくりを意識した。驚きや意外性、面白さも盛り込んでいる。かわいいイメージを変えていきたい」。

今回は商品開発から店舗の設計、店頭の商品構成、ライセンスなど各部署のメンバーが参加している。過去にも子供っぽさの脱却に向けた取り組みなどはあったが、部署をまたぐプロジェクトにはなっていなかった。実は、進行中の構造改革には縦割りの傾向が強かった組織改革が含まれている。ここでも早速変化をみせた格好だ。

いたずら好きなクロミはオープニングに登場し、辻社長にも憶することなくちょっかいを出していた(記者撮影)

ダイバーシティの店舗は、意外性や驚きといった面から脱サンリオを目指す「Am@zing(アメイジング)プロジェクト」の第1弾。辻朋邦社長も次の展開に意欲を見せる。

「ちょっと違ったサンリオの一面を見て、一瞬でも笑顔になってもらいたい。これってサンリオなの?というものでいい。いろいろな方に価値を提供したい。フィードバックをしながら次の企画をやっていく」

創立から61年、ハローキティをはじめ世界レベルの成功事例を持つサンリオゆえに、イメージ脱却は容易ではないだろう。事業の構造改革、組織改革とともに、今回のような施策を打ち続けられるかが「脱サンリオ」の重要ポイントになりそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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