「夏の終わりのハーモニー」相場は続くか 【今週の相場】株価と「キティちゃん」の微妙な関係

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ところが、上値の重さも感じられる。日経平均は、8月24日付の本コラムで述べたように、7月末高値の1万5759円に再挑戦。上述のように、いったんは1万5829円まで上昇して、7月高値を上回ったが、そのとたんに勢いを失った。

当面の上値メドというご馳走に満足する、今の市場

なぜだろうか?つまり、今の株高は、地政学的リスクの後退期待、欧州発の世界カネ余り期待、国内経済政策期待、公的資金による外貨資産投資期待といった、「期待」による株高であり、「期待」は「気体」のようにはかなく、移ろいやすい。

先週は、「キティちゃん」が世界中でちょっとした物議を醸していたようだが、このマーケットの世界の「キティちゃん」ならぬ、「キタイちゃん!?」(ダジャレで失礼)は、か弱くて少食なのだ。当面の「上値メド」という「ご馳走」を少し食べれば満腹となり、大きく株価を続伸させる「体力」には欠けるのである。

実際に、どのような経済政策が国内で打ち出されるかを考えても、当面は一発で株価を高騰させる「バズーカ砲」は期待しづらい。

確かに追加の金融緩和の可能性は否定できなくなってきたが、あるとすれば景気が悪化し日銀が追い込まれた場合だ。ただし、2度目の「異次元の緩和」として、心理的な効果は乏しいだろう。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の株式投資拡大も、短期間に一気に株式を買い上げるわけではない。そもそも自分自身の買いで株価がつり上がり高値買いを余儀なくされるようでは、年金の運用として落第だ。

それでも、政策面では、個々の成長戦略が地道に積み上がりそうだ。その効果が個々の企業の収益を地道に改善させ、その結果として、良い企業の株価が地道に上昇することを見込むべきだろう。

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