「夏の終わりのハーモニー」相場は続くか 【今週の相場】株価と「キティちゃん」の微妙な関係

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企業の自助努力もあって、収益を悪化させる企業よりも、改善する企業の数がジワジワと優勢となって、結果として算出される日経平均株価もジワジワ上昇基調をたどりそうだ。

前週末の5日に発表になった米雇用統計は、非農業部門の雇用者数の増加幅が予想より小さかったが、失業率は低下した。米国市場は、「基調としての米景気改善は不変」とみているようだ。

結局は、海外投資家が相場を牽引か?

加えて、日本の経済実態が、消費増税後にジワジワと持ち直し(百貨店大手5社は、各社とも8月の売上高前年比がプラス)、株価を上昇方向へ押し出していく展開が期待される。短期的には「キタイちゃん」による上下動があっても、長期的には「押し出し」だ。

かつて為替市場で投機筋として暗躍した海外資金は、スイスを中心とした金融筋が中心だったこともあり、「チューリッヒの小鬼」と呼ばれた。日本の株価を、経済の実態改善に沿って押し出す(=引き上げる)主体となる鬼も、結局は引き続き海外投資家なのだろうか。

GPIFなどに頼らず、早く国内投資家が「鬼押し出し」の主導権を握ってほしいものだ。今週の日経平均のレンジ見通しは、下値が1万5500円前後、上値は1万6000円前後を予想する。

馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト

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まぶち はるよし / Haruyoshi Mabuchi

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米国マサチューセッツ工科大学経営科学大学院(MIT Sloan School of Management)修士課程修了。(旧)日興証券グループで、主に調査部門を歴任。2004年8月~2008年12月は、日興コーディアル証券国際市場分析部長を務めた。2009年1月に独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行う。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。各地での講演や、マスコミ出演、新聞・雑誌等への寄稿も多い。著作に『投資の鉄人』(共著、日本経済新聞出版社)や『株への投資力を鍛える』(東洋経済新報社)『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)などがある。有料メールマガジン 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」なども刊行中。

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