結婚を勝ち取った恋愛未経験アラサー女性の戦略 市場価値を冷静に判断、半年後にはゴールイン

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「今、お2人とお付き合いさせていただいていますけど、どちらかというと同い年のゆうやさんのほうが、一緒にいて違和感がないんです」

またその理由について、こう話していた。

「あきひろさんは、年下なんですがデート代をすべて出してくださっている。私のほうが稼いでいるのに、どこか気が引けてしまう。ゆうやさんは、お見合いと最初のランチのときは出してくださいましたが、それからは割り勘デートです。そのほうが同等な立場でいられて、気持ちも楽なんです。もしあきひろさんと真剣交際に入ったら、ゆうやさんはお断りしないといけないので、もう少しお2人とお付き合いしていてもよいでしょうか?」

“割り勘デートのほうが気持ち的に楽“というのも、若い人の今時の感覚なのだろう。30代後半、40代、50代の女性たちは、デート代を割り勘にする男性にとにかく厳しい。「私には、1000円のランチをご馳走する価値もないのでしょうか?」とは、この年代の女性たちがよく言う台詞だ。

女性が男性と同等に稼いでいたとしても、「お金を出してもらうこと、イコール大切にされている」という感覚なのだ。まあ、その気持ちもわからなくもないのだが。

まゆみは、そこから半月ほど2人と同時並行で付き合っていたが、8月の終わりに今度はゆうやの相談室から、真剣交際の打診があった。

それには、迷うことなく受け入れる返事をした。

「はい、ゆうやさんと真剣交際に入ろうと思います」

あきひろとは交際を終了し、そこからはゆうやと向き合い、結婚に向けての付き合いを続けていったようだった。あるとき、面談をするとまゆみはこんなことを言った。

「結婚へのすり合わせをしていくたびに、ゆうやさんとは、元になる考え方が似ているなと思うんです。同い歳だというのもあるし、仕事に対する考え方、どんな家庭を築きたいか、話せば話すほどにピッタリとあっている。こういうのを波長が合う相手というのではないかなって」

ケーキと指輪と真紅のバラでプロポーズ

そして、真剣交際に入って2カ月半が経った頃、ゆうやの相談室から、「そろそろこちらとしては、プロポーズを考えていますが、まゆみ様のお気持ちはどうでしょうか」という連絡が入った。

それをまゆみにLINEで伝えると、まゆみは、『毎週デートを重ねていくうちに、人柄や生活感が見えてきて、この先も一緒に生活していけそうだなと思っています。プロポーズはお受けしたいです』という返信が来た。
このLINEをそのままコピペして、ゆうやの相談室に送ると、今度はゆうやの相談室からこんな返信が来た。『まゆみ様の言葉は、涙が出るほど嬉しかったようですよ』。

ゆうやは、プロポーズを、「11月にしようか、ロマンチックに12月のクリスマスにしようか」と悩んでいたようだったが、結局、11月にした。
プロポーズの場所に選んだのは、都内にある、これまでデートでは訪れたことがないような洗練されたレストランだった。

コース料理を食べ、デザートが出てきた段階で、ケーキと指輪と、12本の真紅のバラの花束をウエイターが運んできた。こうしたプロポーズプランを設けている高級レストランは、今とても多い。赤いバラは“愛情“、12本という数字が1年を意味し、「1年中、あなたを愛します」というのが、花言葉だ。

「まゆみちゃん、結婚してください」

ゆうやは指輪のケースをパカッと開けた。中に入っていたのは、プロポーズリング。最近は、このプロポーズリングが若い世代を中心に流行っている。婚約指輪のように高額ではなく、手軽な価格で購入できるプロポーズ専用のリングだ。

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