武田真治は孤独な日々を言葉と筋トレで支えた

栄華を極めどん底を経た彼が楽しんでいる人生

美しい肉体とユニークな人柄で人気を博すタレントの武田真治さん(撮影:塚本 弦汰)
この記事の画像を見る(3枚)
NHK「みんなで筋肉体操」出演以降、美しい肉体とユニークな人柄で人気を博すタレントの武田真治は、実はけっして順風満帆に芸能生活を送ってきたわけではない。デビュー直後に一気にブレイク、その後の長い低迷。今振り返って思うのは、それは自分に必要な時間だったということだ。人生と仕事の浮き沈みについて前後編で話を聞いた。(敬称略)

売れて、天狗になった

俳優・武田真治について、どのようなイメージ持っているだろうか。1989年、「第2回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞。中性的で華奢な体型から「フェミ男」と呼ばれ、ドラマ『NIGHT HEAD』(94)や『南くんの恋人』(94)でブレイク。ナインティナインらと共演したバラエティー番組『めちゃ×2モテたいッ!』(95〜96/『めちゃ×2イケてるッ!』の前身番組)の出演で、その人気はピークを迎えた。

大量のCM契約が舞い込み、ソロコンサートツアーや主演舞台も大成功。都内のクラブはどこも顔パスだった。しかし現在の武田は振り返る。この頃から「自分は特別な存在だ」と思い始めてしまったと。

「完全に天狗になっていました。鼻も高かったし、本物の天狗みたいに羽も生えていたんじゃないかな(笑)。でも『イカロスの翼』じゃないですけれど、ずっと飛び続けられる羽ってないんですよね」

ギリシャ神話に登場するイカロスは、ロウで作った翼が太陽の熱で溶けて墜落した。武田はそれに自分を重ねる。世間から求められるファッションリーダー像を演じるため、自分を精神的にも肉体的にも追い込んだ。当時の体重は48〜49kg。退廃的な美学に憧れ、周囲に心を閉ざし、他人の人生を心のどこかで否定する。人に対する尊敬や感謝の気持ちが薄れていった。

「周りから、人がいなくなりました」

1998年、26歳の時に過労と栄養不足で顎(がく)関節症を発症。中学3年から吹き続けていたサックスも吹けなくなった。

次ページ絞り出された言葉たち
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • インフレが日本を救う
  • 買わない生活
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
サイゼリヤが「深夜営業廃止」を決断した裏側
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT