武田真治は孤独な日々を言葉と筋トレで支えた 栄華を極めどん底を経た彼が楽しんでいる人生

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武田は20代前半のブレイクを「実力以上の高下駄を大人に履かせてもらっていた」と形容する。

「まさに天狗ですよ。鼻高々で、羽生やして、しかも高下駄って(笑)。で、見事に転んで大怪我しました。転ばないでしばらくそのまま行ける人もいると思うんですよ。でも、その分のプラスはいつかマイナスに相殺される。どんな人の人生も、プラマイ差はそれほどないと思うんですよね。僕は人生の早い段階ですごいプラスを得ちゃったもんだから、神様にしっかりマイナスのローンを組まれました(笑)。帳尻が合ってしまった。神様、そこは見過ごしてくれよと思ったんですけれど、人生の免税はありませんでしたね(笑)」

武田とは逆に、人生の前半に大きなマイナスを被り苦しむ人もまた多い。彼らもまた、いつかプラスを得ることで帳尻が合うのでしょうか?と聞くと、しばらく黙したのち、静かに口を開いた。

「イエス、と言いたいですね。人生って、つねにそういうことだと思うんです。どこで引き下がるか、どこまで突っ張るか」

イーストウッドも、ジョニー・デップも…

とは言え、「何者かになりたい」「早く何かを成し遂げなければ」と焦る若者は多い。SNSによって同世代の成功者が常時目に入ってきてしまう現在、その焦りは武田が20代だった頃よりずっと深刻化している。

「よくわかります。YouTubeですごく大きなお金を動かしてる20代前半の方なんかもいらっしゃいますもんね。ただ、僕自身が焦りをなくす時に思い浮かべてたことを申し上げるなら、クリント・イーストウッドだって、ジョニー・デップだって、ダーティハリーやジャック・スパロウに出会ったのは40歳過ぎですよって。ついでに言うと、武田真治が『筋肉体操』で注目されたのも45歳ですから(笑)。20歳そこそこで焦ってる? いやいや、あと20年くらいグダグダしてたっていいじゃないですか!」

武田は自虐的に笑うが、その20年間、「帳尻合わせ」を怠らなかったからこそ今がある。

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