「1日3食」食べる人に密かに迫る老化のリスク 健康的に年齢を重ねるためにいますぐできる事

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

私が実践しているように、肥満にならないようにエクササイズをすることです。やりすぎは関節を痛めるので、マラソンのような激しい運動をする必要はありません。毎日10分程度は階段を使うとか、座り続けずに時折立って作業をするとか、忙しくてもできることはあります。

―─身体以外に精神面の健康においても、長生きするコツはありますか。

複数のキャリアをもつことです。50歳で訓練を受けてキャリアを変えたり、新しい言語を学んだりするのも良いでしょう。私の父親は80歳になってから、シドニーの大学で新たな仕事を始めました。彼は非常に生産的な人生を送っていて、以前よりも幸せにみえます。自分が社会のために役立っていると感じることが重要です。

不老不死の時代は来るのか?

─―とはいえ、年を重ねて体力がなくなってくると、新しいことを始めるやる気が落ちてきますね。

『人類が進化する未来 世界の科学者が考えていること』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトへジャンプします)

われわれが開発する薬によって体力を取り戻し、精神的にもよい効果をもたらして、好循環を生みだせれば嬉しいですね。

日本でも老化学の研究は進んでいます。NMN(ニコチンアミド・モノヌクレオチド)は抗老化効果があるとされる成分で、日本で開発されました。マウスに投与すると、いろいろな臓器に存在するNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)が増大し、この分子が長寿に関係する「サーチュイン遺伝子」を活性化することがわかっています。

─―医療の進歩はとどまるところを知らない。いつか不老不死が可能になる時代がくるかもしれません。

人間の老化と健康は、われわれのコントロール下にあります。いまの生活を変えることで将来の老化の進行が決まる、と言っても過言ではない。あなた次第なのです。

現在の医療のように、病気になってから治療を施すのでは遅すぎます。高齢になって病気になり、誰かの世話が必要になってくると、社会が機能しなくなってしまう。健康寿命を延ばすことで、高齢者がコミュニティに貢献し、若い世代に知恵を伝授することが大切です。

国民の多くが健康になれば、国全体が裕福になる。そのためには、研究費の増加や法整備の充実といった政府の後押しも不可欠です。老化を防止することは、人類が月に行くことよりも重要だと思います。

大野 和基 国際ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おおの・かずもと / Kazumoto Ohno

1955年、兵庫県生まれ。1955年生まれ。東京外国語大学卒業。米ニューヨーク医科大学で基礎医学を学ぶ。生殖医療や、国際的な知識人への取材を行う。編著書に『未来を読む』『知の最先端』(以上、PHP新書)、『英語の品格』(ロッシェル・カップ氏との共著、インターナショナル新書)、『私の半分はどこから来たのか』(朝日新聞出版)、訳書に『そして日本経済が世界の希望になる』(PHP新書)、『コロナ後の世界』(筑摩書房)『5000日後の世界』(PHP研究所)、など多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事