産業リサーチ(家庭用品等) 花王のM&A、外資の動向に注目

成長頭打ちの家庭用品市場。ようやく沈静化の兆しが見えるものの、デフレの影響を大きく受けた業界の一つだ。
 ただし、国内トップの花王、老舗のライオン、化粧品では世界4位の資生堂やカネボウなどの「ガリバー企業」が、この業界にはひしめきあっており、合併といったドラスチックな再編はそれほど活発ではない。各社とも、長年蓄積された研究開発力と流通網を武器に、シェア競争を繰り広げている。
 国内トイレタリー事業では、金額ベースで前年割れ(96~98%)が続く逆風下で、毎年増益を続けている花王が、業界をリードしている。洗顔料「ビオレ」、洗濯洗剤の「アタック」といったロングセラー製品をはじめ、「健康エコナ」といった食用油をヒットさせるなど、高付加価値の製品を投入していくことでデフレに打ち勝とうとしている。
 化粧品事業は各社とも鼻息が荒い。高級品を主に販売する百貨店では化粧品の売り上げが伸びているなど、消費不況の中でも異常な現象が起きている。その中でも、資生堂やカネボウなど化粧品メーカーはスキンケアを中心に高価格帯の製品を相次いで投入、貴重な利益創出に励んでいる。
 この業界、企業同士による再編というより、「個別ブランド」の選別的な買収、またグローバルなM&Aが多くなっているのが最近の特徴だ。
 たとえば、紙おむつ・生理用品ではトップのユニ・チャームは、ライオンから生理用品の一部ブランドを買収し、主力事業の強化を図った。ライオンにとっても洗剤などの有力事業へ集中できるというメリットがあった。
 花王も2002年2月に米国のヘアケアメーカーであるKMSリサーチ社など2社を買収した。成長市場であるヘアケア市場で世界的な拡大を図りつつ、技術的にも国内市場を活性化させるためだ。
 また注目されるのは、P&Gやユニリーバなど世界有力企業による日本市場の攻略策だ。どちらも日本市場で国内企業と熾烈な競争を行っている。これまで彼らは独自のグローバル戦略に基づいて積極的なM&Aを行ってきており、その矛先も日本に向きつつあるようだ。

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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