「魚民」もつ鍋の虫混入が世間に与えた本当の怖さ 部外者に見える人たちにとっても他人事じゃない

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こういうときは運営側が「今後は衛生管理と社員教育を徹底し、再発防止に努めます」という判で押したようなコメントをしがちであり、事実モンテローザもそうでしたが、はたしてその言葉を信じてくれる人はどれだけいるでしょうか。「連絡体制が機能していない」「危機管理のノウハウが浸透していない」と感じられた瞬間、信頼性の薄い組織とみなされてしまうのです。

「人的ミス」が発生しやすい店も

今回のケースでも、すぐに運営本部へ連絡し、当人たちに適切な対応が取られていたら、瞬発的な批判にとどまり、これほど信頼性を失うことはなかったでしょう。対応次第で世間の人々が、「たまたまその従業員がミスしただけで今後は大丈夫だろう」と思う可能性もありえたのではないでしょうか。

モンテローザの調理マニュアルでは、「まず白菜全体を水洗いしたあと、1枚ずつを取り分け目視で確認しながら再度洗浄する」と聞きました。特に難しいことはなく、時間もかからない作業が行われなかったのは、単なる個人の「うっかり」や怠慢なのか……。

このところ飲食業界では、「コロナ禍の影響で従業員やアルバイトの人数を減らしたため、営業を再開して間もない今はまだ足りていない」という人手不足の声を聞きます。また、新人アルバイトの多い店では、サービス上のミスなども出やすい状態でしょう。

今回の「魚民」がどうだったかは推察の域を出ないものの、「もし今、本当に人材不足の飲食店が多いのなら、オペレーション上の人的なミスが出やすい状態である」ことは否めないのです。これは飲食店を利用するわれわれにとってのリスクとも言えるでしょう。

いずれにしても「魚民」を運営するモンテローザは、総店舗数1640店、社員数2661名、アルバイト従業員数1万9866名(2020年3月末日現在)の一大飲食グループ。自グループだけでなく、飲食業界全体や農家などのためにも、危機管理に関してこれまで以上に担当社員数を増やすなど徹底していくべきではないでしょうか。

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