月商1億円超、軽トラ用アウトドア部品ヒットの訳 設立4年で急成長、ヒントはラーメン屋の駐車場
同社では、兵庫県内に5460平方メートルの敷地を持つ物流センターを構え、売上規模で約2億円の在庫を一括管理し、製品の発送はすべて自社で行う。そのため、同社では、18名の従業員がほとんど総出で、午前中を発送業務に費やすそうだ。この方式は、とくに小規模のネットショップ業者にとって、在庫を持たなくてよく、売れたぶんだけ支払いすればいいため、資金繰りが楽というメリットがある。また、同社にとっても、注文をした顧客へすぐに製品を発送することができ、在庫切れや納期遅れなどに起因するキャンセルが起こりにくい。
田中氏は、こうした「取引先と弊社の双方にメリットがある」ビジネスを心掛けているという。ちなみに、こうした取り組みが功を奏しているためか、同社売り上げの内訳では、ネット通販業者による販売額の割合が最も大きいそうだ。
ブランド立ち上げのきっかけ
代表の田中氏によると、新規パーツ事業を思いついたきっかけは、「ラーメン店の駐車場を10年間眺め続けた」ことだという。エフクラスは、もともと車載用オリジナルモニターの製造販売が主力事業だった。だが、諸事情により10数年前にモニター事業は停止し、兵庫県内で自動車販売やラーメンチェーン「天下一品」のフランチャイズ店経営などを主な生業としていた。
「自動車に関わる何か新しい事業を起こしたい」と考えていた田中氏は、つねに新規事業のアイデアを模索していたが、名案はなかなか浮かばない。そんなとき、ふと自らが営むラーメン店の駐車場に出入りする車両に、軽トラが目立って多いことに気づく。軽トラは、関西など地方ではポピュラーな存在だが、従来はあくまで「仕事用のクルマ」。だが、なんといっても保有台数の分母が大きい。そこで田中氏は、仕事に便利で、当時から流行していたアウトドアにもマッチする製品を作ることを思いつく。想定する顧客は、職人が多いことから、製品には高い品質も必須となる。
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