GR86とBRZがバイオ燃料使用レースで競う意味 トヨタとSUBARUがST-Qに別々のエンジンで参戦

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前述のとおり、いずれの車両も燃料にはバイオマス由来の合成燃料を用いる。既存の内燃エンジンに使用するだけでカーボンニュートラルを実現する、いわゆるe-フューエルは、来季以降スーパーGT、スーパーフォーミュラといった国内トップカテゴリーでも採用され、F1やWEC、WRCなどでも来年以降、続々と使われていく方向である。ただし、トヨタとスバルはそれを選択肢の1つとしながらも、ほかの選択肢も検討しているという。ポイントは量産車に問題なく使用できる燃料組成のものだ。

佐藤プレジデントは「そこが、まさにスーパー耐久シリーズでこれを行う意味だと思います」と言う。市販車をベースに改造を加えたレーシングカーで競うのがスーパー耐久シリーズなだけに、そうやって一般に広げていける技術でなければ意味がない、というわけである。

車両は先行開発をうたうとおり、将来、たとえば5~6年後のフルモデルチェンジを見据えた技術であったり、あるいは登場したばかりの現行モデルの2~3年後の改良のためであったりと、将来の市販モデルへの採用を見越した技術が採り入れられることになる。

トヨタは1.4ターボ、スバルは2.4NAエンジンで参戦

もちろん共同開発のスポーツカーだけに両社は基本部分を共有する一方で、レースにおいてはそれぞれ独自の開発を行っていくという。そうやって競って、競技の場で研鑽し、ラップタイムという明確な結果も踏まえて、将来どの技術を量産車に取り入れるか決まっていく。そんな図式である。

スバルの中村知美社長は「かねてBEVだけでなく内燃機関を活用した道にチャレンジしたいという思いがありました」と言い、トヨタからの声がけにすぐに賛同したという。そして「出るからには頑張って、ガチンコ勝負を挑みたい」と宣言した。

これだけでも面白い試みなのだが、この話には実はさらにその先があった。実は両社は異なるエンジンで参戦する。スバルが量産車と同様の水平対向2.4L自然吸気ユニットを使うのに対して、トヨタは直列3気筒1.4Lターボユニットを搭載するというのだ。

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