安河内:意外なスタートですね。でもその後、大学受験が待っていたわけですよね?
松本:大学受験の前にちょっとした出来事があったのです。高校3年の夏に、日本の大学生が「安保条約廃止」について、英語でディベートしているのをたまたま見ました。そのときに「これならやってみたい!」と強く思いました。それまでは単語を丸暗記したり、全然、面白くもない小説をサイドリーダーとして読まされたりと、英語を勉強していて「面白い」と思う瞬間がなかった。でも、社会的な問題を題材として英語で議論できると思ったら、がぜん興味が湧いたんですね。
安河内:受験まで半年の時点のことですけど、そこから猛勉強したとか?
松本:いや~、映画館で英語の映画をたくさん見たりして、受験勉強をまじめにやった覚えはないですね。唯一、当時、入試でディクテーションを課していた一橋大学の問題演習はしましたね。それ以外は、NHKの英会話の番組を聞き出したり、英字新聞を読み出したり、受験英語には直結しないことばかりに手を出していました。で、見事に落ちました。
安河内:あ、浪人されたんですね?
松本:はい。でも、予備校には行かずに、英語学校の夜間部に週1~2回、1年間通い、大学生などと一緒に学びました。
安河内:そこでそうとう勉強されたんですね?
松本:いや、そうでもないです。ただ英語学校では、文科省が今、活動例としてあげているスピーチ、ディベート、ディスカッションなどをやっていました。
ディベートに明け暮れた大学時代。大会で優勝し渡米
安河内:じゃあ、英語に関してはいわゆる受験勉強はついにやらなかったんですね?
松本:ええ。でも一浪して何とか大学には入れました。経営学部に在籍し、ESS(英語クラブ)に入りました。
安河内:英語の達人には、ESSに入っていたという人がホントに多いですよね。
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