就活生が選ぶ「面接が好印象だった会社」TOP10 高評価の企業には「聞き上手」な担当者がいる

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4位のジェーシービー(JCB)と5位の日鉄ソリューションズの業種はまったく違うが、学生のコメントはよく似ている。両社の面接官は「穏やか」「親身」「笑顔」である。

印象に残ったコメントを挙げると、JCBでは「パソコンの不具合で、面接時間に間に合わず少し遅れてしまったが、決まった時間で終わらせず、規定時間を超えても面接を続けさせてくれた」。面接は杓子定規のスケジュールどおりに実施することが多いが、本人の責任ではない場合は融通を利かせることもあるようだ。

日鉄ソリューションズでは、面接官の人柄を評価するコメント以外に面接官の質問やフォローに言及する声もある。学生を選ぶだけでなく育てるという視点を持っているようだ。「選考ではなく、ジョブマッチングという観点で見てくれていたので、企業についても理解が深まったし、自身の考えと一致することがわかり志望度が上がった」、「面接官の質問が非常に面白かった」、「こちらの話が長くなってもうなずいて聞いてくれた。作文に対するフィードバックをもらえた」。

「フィードバック」が際立つ

もう1社の5位はニトリだ。先日、テレビの芸能番組を観ていたら、女優の本田翼さんが「明日はニトリの荷物が届くから家にいなくてはならない」と話していた。そのときの芸能人の様子から、家具=ニトリという図式が定着していることが見て取れた。就活の世界でもニトリ人気は強くなっており、就職人気ランキングの常連企業となっている。

面接ではどうか? きわだって目立つ言葉がある。ニトリに言及したコメントは15あるが、6つのコメントに「フィードバック」という言葉が使われている。工学の世界でのフィードバックは自動制御という意味だ。目標値に足りなければ強めに、超えていれば弱めにして調整する。身近な電機製品でいえば、エアコンの冷暖房は目標温度の前後でフィードバック制御されている。

ビジネスの世界では相手に評価を伝えることを意味することが多いが、就活の世界では意味が少しだけ違う。面接者が学生に対しプラスのアドバイスをすることをフィードバックと言う。いつの頃から使われているのかはっきりしないが、いまでは完全に定着し「FB」と表記されることもある。

コメントを紹介しよう。「自分の話を受け入れて楽しそうに聞いてくれ、今後のためにフィードバックもしてくれた」、「フィードバックを的確に貰えた」「こちらを試すのではなく、一緒に考えてくれる姿勢があった」。

「アドバイス」や「一緒に考えてくれる」言葉も、学生の立場に立ち、どうすれば良い就活ができるかを考えようとしている姿勢を示している。応募学生の多くがニトリのファンになり、家具を買うことになると思う。

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